「寄付つき和菓子の自販機」登場 日本初、食べて社会貢献 茨城・筑西

人気の和菓子をそろえた自販機と上野貴則さん。売上の一部は日本赤十字社へ寄付される=筑西市丙(谷島英里子撮影)
人気の和菓子をそろえた自販機と上野貴則さん。売上の一部は日本赤十字社へ寄付される=筑西市丙(谷島英里子撮影)

茨城県筑西市の老舗和菓子店に日本赤十字社への寄付つき和菓子自動販売機が登場し、話題を呼んでいる。同店が5年前から続けている、売り上げの一部を日赤へ寄付する「和菓子を食べて社会貢献」事業の一環。同様の自販機はこれまで清涼飲料ではあったが、日赤県支部によると和菓子では「日本初」という。男子高生が買い食いを始めたほか、急な贈答用にも対応。店主は「買い物するだけで気軽に社会貢献できます」と話している。

最中など10種販売

この和菓子店は「館最中(やかたもなか)本舗 湖月庵(こげつあん)」。下館駅北口から徒歩約5分の商店街の店先に先月23日、赤い自販機が設置された。

甘さを控えた自家製の餡(あん)が特徴の「館最中」をはじめ、黄味餡をホワイトチョコで包んだ「きぬのまゆ玉」、栗まんじゅうなどの人気商品を単品と箱詰めに分け、200円~1240円で販売。和菓子に合うペットボトル飲料の「さしま緑茶」(150円)も加えて、計10種が販売されている。

自販機を置いてみて、3代目店主の上野貴則さん(43)が目にしたのは、これまであまり店に入ってこなかった男子高生たちが自販機でまゆ玉を買い、分け合って食べる姿だった。

「和菓子店は敷居が高い、商店街の店は入りづらいと感じている人もいたようで、自販機だと手軽に買ってもらえるようです」

また、店の定休日や営業時間外でも、自販機は24時間購入できる。箱詰め商品もあるため、急な贈答用にも対応できるという。

無料観光マップも

同店は平成29年から、日赤県支部との間で寄付つき和菓子を販売する契約を結び、東京都内などの駅構内で販売。令和2年までに売り上げの一部50万円を寄付してきた。だが、新型コロナウイルス感染症の影響で駅の利用者が減り、売り上げも徐々に減少。各地で登場している変わり種の自販機に着目したという。

店の近くには市役所や美術館、飲食店がある。下館駅はJR水戸線、関東鉄道常総線、真岡鉄道真岡線の3路線が乗り入れているため、交通の利便性が高い。

上野さんは「筑西の魅力も伝えたい」と、自販機の側面に鉄道3路線のイラストをデザイン。まち歩きを楽しんでもらおうと、無料の観光マップを備えたちらしケースを取りつけた。

「日赤は医療救護活動や救援物資など、さまざまな場面で活動資金が必要になると聞いた」と上野さん。「珍しい和菓子の自販機を利用してもらうことで、気軽な支援につなげられたら」と語った。(谷島英里子)

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