東部で火砲の応酬続く 集合住宅倒壊の死者45人に

破壊された集合住宅で捜索活動に当たる救助隊員ら=10日、ウクライナ・ドネツク州北部チャソフヤール(ゲッティ=共同)
破壊された集合住宅で捜索活動に当たる救助隊員ら=10日、ウクライナ・ドネツク州北部チャソフヤール(ゲッティ=共同)

ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は12日、露軍の次の制圧目標とされる東部ドネツク州の中心都市スラビャンスクや交通の要衝バフムト周辺の複数の集落が露軍の砲撃を受けたと発表した。一方、ロシアと実質的に一体の東部の親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」(自称)も同日、支配地域内の15の集落がウクライナ軍の砲撃を受けたとした。両国メディアが伝えた。

東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)全域の掌握を主目標とする露軍は3日にルガンスク州の制圧を宣言した後、一部の部隊について「戦力の補充を行う」と発表。ドネツク州では現在、地上部隊の大規模な前進を停止し、火砲での攻撃を強化している。

同州はウクライナ軍が4割超を保持し、防衛線も維持。米シンクタンク「戦争研究所」は、露軍が軍備増強を終え次第、同州制圧を目指し大規模攻勢を掛ける思惑だと分析している。

ウクライナ側によると、東部ハリコフや南部ミコライフも12日、露軍の砲撃やミサイル攻撃を受け、両市で市民計10人以上が負傷した。攻撃の一部は、本来は戦闘機やミサイルの迎撃に使用される露対空ミサイルシステム「S300」によるものだったという。

露軍は最近、南部でもS300による地上攻撃を行っており、兵器備蓄の減少を示している可能性がある。英国防省も露軍は対艦ミサイルを地上攻撃に流用するなど兵器枯渇の兆候が出ていると分析している。

一方、9日の露軍の砲撃によるバフムト近郊チャソフヤルの集合住宅の倒壊について、ウクライナ緊急事態当局は12日、死者が子供1人を含む45人に増加したと発表した。露国防省は、チャソフヤルへの攻撃はウクライナ軍拠点への攻撃だったと主張している。

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