主張

また立民が敗北 空想的平和主義を捨てよ

参院選で立憲民主党は改選23議席を6議席下回る17議席にとどまった。うち比例代表は7議席で日本維新の会の比例8議席に及ばなかった。

立民は野党第一党を維持したとはいえ、昨年の衆院選に続いて敗北を喫したことになる。

共産党も改選議席から2議席減らす4議席だった。小政党のれいわ新選組を1議席しか上回れなかった。

自民党は改選議席から8議席増の63議席を、維新は同じく6議席増の12議席を得た。

対照的な結果となった。その最大の理由は、国民を守る安全保障政策を掲げたかどうかだろう。

国連安全保障理事会の常任理事国にもかかわらず、ロシアはウクライナを侵略している。有権者が国の守りを託せる政党はどこかを判断基準にするのは自然だ。

岸田文雄首相は「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べ、防衛力の抜本的強化を約束した。維新は防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額を公約とした。

立民は「着実な安全保障」を掲げ、日米同盟基軸をうたったが、防衛費の思い切った増額や反撃能力の導入に後ろ向きだった。国民を守り抜く抑止力を構築する具体的政策はなく、足を引っ張る姿勢だった。共産は自衛隊は憲法違反の立場を改めず、防衛力の強化に反対した。

ウクライナへの侵略をみても、空想的平和主義を捨てられない。有権者が不安に感じ、無責任な政党だとみるのは無理もない。

立民の泉健太代表は記者会見で「政権を任せられる勢力だと国民から認知されなかったことを痛感している」と述べた。

なぜ政権を任せられないと思われたのか。空想的平和主義にとらわれたり、社会保障費に充てる消費税の無責任な減税にとびついたりするようでは、党勢は低迷し続けるに違いない。

改選1人区で立民と共産などの野党共闘が十分できなかった点を強調する見方がある。だが、昨年の衆院選がそうだったように「立共共闘」に展望はない。国民を守る道ではないからだ。

政府与党に緊張感をもたらす、政権交代を目指せる健全な野党勢力の存在は、議会制民主主義にとって欠かせない。現実的な安保政策へ転換することが立民出直しの一歩となるはずである。

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