参院選

静岡 立・国共闘ほころびで課題…旧民進の無所属に票食われる

新型コロナ感染が判明し、議席を維持できなかったお詫びをビデオで述べる無所属の山崎真之輔氏。前回は国民・立民の推薦を受けたが、今回は立民に見送られていた=10日夜、静岡市駿河区(小串文人撮影)
新型コロナ感染が判明し、議席を維持できなかったお詫びをビデオで述べる無所属の山崎真之輔氏。前回は国民・立民の推薦を受けたが、今回は立民に見送られていた=10日夜、静岡市駿河区(小串文人撮影)

10日投開票だった参院選静岡選挙区(改選数2)では、野党側に重い課題が残った。自民新人候補がトップ当選するなか、昨秋の補欠選挙では65万票で同じ自民候補を破っていた無所属現職、山崎真之輔氏(40)=国民民主党推薦=が、半分以下の25万票に落として惨敗したからだ。2議席目を獲得したのは、6年前は旧民進党公認で当選したがのちに離党していた「完全無所属」の平山佐知子氏(51)。野党結集のほころびを付かれる形となった。

44万票で2議席目を得た平山氏は11日朝、祝いの花束が並ぶ静岡市葵区の事務所で「命を大切にする社会にするため、あらゆる方々と連携していきたい」と、引き続き無所属で活動する決意を新たに。さっそく、支援を受けた企業や団体へのあいさつ回りに追われた。

旧民進を5年前に離党。現在は参院内の会派にも属さず、政党色を排して「政局に左右されない。賛成できるものは賛成し、ダメだと思うものは根拠を示し改善を求める」とした〝是々非々〟の訴えは、保守系にも秋波を送る形となった。また、ニュースキャスターを務めていた知名度で、県中部の財界からは組織的な支援も得るなど、党組織の支えが消えても6年前の支持者をつなぎとめた。選挙戦では、野党の一部の地方議員からも支援を得た。

こうした戦略に影響を大きく受けたのが、補選勝利の原動力の一つだった「野党結集」が今回はほころんでいた山崎氏陣営だった。

「トラウマも控えに控えて、何とか野党統一で山崎氏をやりたかったという思いはあるが…」。立憲民主党県連の曳田卓幹事長は11日の記者会見で、推薦を見送って一部の自主支援に留まった今回について肩を落とした。

静岡県内で立民、国民両党は、3年前の参院選でともに公認候補を立てて争う(結果は国民現職が当選)など、もともとぎくしゃくする要因が多かった。補選ではそろって山崎氏を推薦し自民議席を奪う結果を勝ち取っていたが、山崎氏が「事後報告」(曳田氏)で国民会派に入ったことで立民は再び反発。「選挙までの半年間だけ会派を抜けてほしい」との提案もはねられ、軋轢(あつれき)は決定的になっていた。

こうして、両党の有力団体である連合静岡のうち立民に近い下部組織や、立民所属の地方議員の動きが大幅に鈍化。対立を嫌忌し、6年前に応援した平山氏にそのままついた組合が少なくなかった-との指摘もある。

女性問題の影響で、補選勝利の最大の原動力だった師と仰ぐ川勝平太静岡県知事の応援も今回は得られなかった。また、同問題は謝罪から半年以上を経ても有権者に「思った以上に大変大きな影響」(国民県連の岡本護幹事長)を及ぼしており、子育て世代などの票が平山氏らに流れた、と陣営は悔やむ。結果は、山崎氏が市議や県議を務めた地元・浜松市ですら3番手となる「惨敗」(岡本氏)だった。

「われわれ野党に対する厳しい審判とも受け止める。来年の統一地方選へ再度、党勢を拡大できるよう努めたい」。曳田氏はこう反省せざるを得なかった。

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