参院選東京選挙区でトップ当選した自民現職、朝日健太郎氏の得票は92万2793票で、平成4年以来、30年ぶりにトップ当選が100万票を下回った。候補者が34人と多く、国政政党候補(推薦含む)だけで15人が乱立したことで票が分散したのが一因とみられる。朝日氏は区市町村別でほぼすべての自治体で得票が上位3位に入り、満遍なく支持を獲得した。
2位当選の公明現職、竹谷とし子氏は74万2968票。初当選の12年前は80万6862票、再選の6年前は77万535票で、得票は漸減している。区部では板橋、足立、葛飾区など、多摩地域では八王子市や小平市で最多得票となった一方、千代田、中央、港区などで得票は伸びなかった。
3位当選は共産現職の山添拓氏で68万5224票。初当選の6年前は66万5835票で、今回約2万票上積みした。中野、杉並などの区で多く得票し、組織力を生かして北区、荒川区などでも強さを見せた。
4位当選の立憲民主現職、蓮舫氏は67万339票。東京選挙区で過去最多の得票数だった平成22年の171万734票からは100万票以上減らした。党勢の陰りや他候補の応援で都外に出ていたことなどが影響したとみられる。武蔵野市や府中市など、同じ党の菅直人元首相が地盤としてきた地域などで強さを見せた。
5位当選は自民新人の生稲晃子氏で、61万9792票。都心の一部で力を発揮したほか、国立、福生、狛江の各市などで多く得票した。島嶼(とうしょ)部で高い支持を得ているのも特徴だ。
6位当選したれいわ元職、山本太郎氏は世田谷、杉並の両区と一部の島嶼部で高い得票があったが、突出した自治体はなかった。山本氏と議席を争い次点となった維新新人の海老沢由紀氏は53万361票。千代田、中央、港、文京の各区で上位3位に入ったが、それ以外の広い地域で山本氏に差をつけられ、3万5564票差で涙をのんだ。NHK党の候補者5人はいずれも伸び悩んだ。