安倍晋三元首相が奈良市内で遊説中に銃撃され死亡した事件を受けて、奈良県警の鬼塚友章本部長が事件後初めて会見。警護の不備を認め、「警察官人生で最大の悔恨、痛恨の極み」などと語った。主な一問一答は次の通り。
--安倍氏の来県を知ったのは前日の夕刻と聞いている。警護計画を立てる時間が足りなかったのか
「およそ警護・警備というものは、どんな日程にも対応できるよう態勢を構築すべきものと考えている。私自身、警護計画書に目を通し、承認している」
--現時点でどんな問題があったと考える
「警護上の問題があったことは否定できないが、態勢なのか配置なのか、個々の警護員の能力なのか、早急に確認し、見直しを行う必要がある」
--警護計画書の承認までの流れは
「今回の遊説日程は急に入ったこともあり、私自身が計画書に目を通し、承認したのは(演説)当日。前日に急ぎ計画書を作り、朝に私に報告があった」
--警護の人員や配置は計画書通りか
「計画書通りに行われたものと承知している」
--計画書原案に違和感を覚えなかったのか
「報告を受けた時点で違和感や修正すべき点は感じなかった。原案通り承認した」
「今回の警護場所は、これまでも選挙遊説でよく使われている場所。警護員の方で十分に理解している場所だった。配置や(最初の)銃声があったときの対応に問題があったかについては、今後しっかり見ていく必要がある」
--本部長としての責任、辞任の考えは
「本部長として真相解明に向け捜査を指揮し、警護上の問題点を洗い出し、早急に対応するのが現時点での私の責任と考える」
--安倍氏が亡くなったことを聞いたときは
「警察官を拝命し、27年あまりの警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極み。責任の重さを痛感している」