首相、涙浮かべ「絶対に許してはならない行為」

安倍晋三元首相が銃撃され負傷したことを受け記者団の質問に答える岸田文雄首相=8日午後2時48分、首相官邸(春名中撮影)
安倍晋三元首相が銃撃され負傷したことを受け記者団の質問に答える岸田文雄首相=8日午後2時48分、首相官邸(春名中撮影)

「民主主義の根幹である自由で公正な選挙は絶対守らなければならない」。安倍晋三元首相が死去したことを受け、岸田文雄首相(自民党総裁)は8日夜、官邸で記者団を前に怒りをにじませた。同日午後、遊説先の山形県から急遽官邸に戻った直後には、言葉を詰まらせながら「民主主義国家の日本の一員として、絶対に許してはならない行為だと感じている。最大限の強い言葉で非難する」と記者団に語った。

自民の茂木敏充幹事長も党本部で幹部らと対応を協議した後、記者団に「テロ行為は民主主義に対する挑戦であり、断固抗議する」と述べた。

知名度が高い安倍氏は参院選の公示後、自民候補の応援演説のため全国各地を回り、8日も銃撃された奈良市の他に京都府などを訪れる予定だった。

民主主義の土台を揺るがす今回の事件に、安倍氏に近い自民の閣僚経験者は「なぜ銃を持った男が近づけるのか。あり得ない」と指摘。同じく安倍氏と親しい自民重鎮も「日本でこんなことが起きるなんて…」と肩を落とした。

元首相を狙った凶行は投開票が10日に迫る参院選にも影響を及ぼした。

自民は首相を含め、8日の党幹部の遊説を全て中止。首相は政府の対応を協議するため、全ての閣僚にも帰京を命じた。

ただ、与党は選挙戦最終日となる9日は予定通り活動する方針を決めた。

茂木氏は「暴力には屈しないという断固たる決意の下、各地の事情も踏まえ、選挙活動は予定通り進める」と説明した。公明党の山口那津男代表も党本部で記者団に「卑劣な行為が二度と行われないように万全を期していくことが必要だ」と述べた上で、「屈することなく、堂々と言論による主張を有権者に訴えていく姿勢が大切だ」と語った。(内藤慎二)

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