東北政界に衝撃 参院選の選挙活動にも影響

宮城県の村井嘉浩知事=県庁(奥原慎平撮影)
宮城県の村井嘉浩知事=県庁(奥原慎平撮影)

自民党の安倍晋三元首相が8日、銃撃され死亡した事件に、東北の政界関係者らにも衝撃が走った。参院選の投開票が10日に迫る中、遊説の中止を余儀なくされるなど、各陣営の最終盤の選挙活動にも影響を与えている。

「非常に悔しい。安倍氏は、首相在任中、東日本大震災の被災地を幾度となく訪問され、被災者に寄り添いながら、復旧・復興に尽力してくれたことに、感謝の言葉しかない。ご冥福を心よりお祈り申し上げる」

宮城県の村井嘉浩知事は8日、安倍氏死去の報に接し、こうコメントした。

仙台市の郡和子市長も「選挙期間中に、政治家を狙ったこのような卑劣な行為が行われたことは、民主主義の根幹を揺るがす事態で、強い憤りを覚える」とした。

震災当時、東松島市職員だった高橋宗也県議は「首相時代の安倍氏はわれわれを励まし、派遣職員を鼓舞された。安倍氏と直接会話すれば、うわべだけでなく、心から被災者を心配していることが分かった。残念としかいいようがない」と言葉少なに話した。

秋田県では、安倍氏が平成15年就任の党幹事長時代から親しい関係という北林康司県議が「憲法や皇室など極めて高い見識と国家観を持ち、その思いはいつも深く胸に響いた。無念だ。ご冥福を祈る」と話した。

事件は、各陣営の選挙活動にも波及している。

福島県郡山市では、岸田文雄首相(自民総裁)が午後2時過ぎから予定していたJR郡山駅前の街頭演説が急遽(きゅうきょ)、中止に。自民関係者が対応に追われた。

関係者らは演説用の音響設備を使い「岸田総裁のあいさつは、諸般の事情により中止します。誠に申し訳ありません」と、何度も繰り返していた。

山形選挙区では国民民主現職の舟山康江氏が8日午後、遊説を一時中止。舟山氏は「民主主義への重大な挑戦で絶対に許されない」とコメントした。

宮城選挙区でも自民現職の桜井充氏が「断固として許すことができない」とコメントし、8日の遊説などを中止。立憲民主党新人の小畑仁子(きみこ)氏も同日の遊説を中止した。

青森選挙区では、自民新人、斉藤直飛人氏の陣営で総合選対本部長を務める同党県連の江渡聡徳(あきのり)会長が報道陣の取材に対し「目指していた憲法改正の道筋をこんなひどい暴力によって元首相が命をなくすことは本当に悔しい。思いを受け止め、頑張っていくしかない」と沈痛な表情で語った。

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