サル痘で2回目の緊急委招集 58カ国で6千件超確認

スイスのジュネーブにあるWHO本部(共同)
スイスのジュネーブにあるWHO本部(共同)

【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は6日、欧米などで拡大している感染症「サル痘」について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するか評価するため、18日の週にも2回目の緊急委員会を招集する方針を表明した。WHOは6月の緊急委で緊急事態宣言を見送ったが、感染拡大が止まらない現状を深刻に捉えている。

テドロス氏によると、サル痘の感染は58カ国で6千件以上確認。欧州が流行の中心で、全世界の80%以上を占めているという。

WHOは6月下旬、世界全体でこれまで「並」としてきたサル痘の危険性評価について、欧州地域事務局管内(旧ソ連やトルコを含む)のみ「高い」に引き上げた。感染者は6月22日時点で、英国の793人▽ドイツ521人▽スペイン520人-と続く。北米、オーストラリア、韓国などにも拡大している。

サル痘は従来は主にアフリカ西部や中部の熱帯雨林地域で流行してきた。今年に入り、欧米などに広がった要因は現時点で明確になっていない。WHOは6月15日、イタリアとドイツの患者の精液からウイルスが確認されたとの報告を受け、サル痘が性感染症である可能性を調査していると公表した。だが、サル痘は感染者の飛沫(ひまつ)でも感染するとされ、確実な感染経路の把握が難しい状況だ。

各国は、感染者の特定や検査体制強化への対応が遅れ、感染を抑制し切れていない。英紙フィナンシャル・タイムズなどによると、欧州の若年層がサル痘に効果がある天然痘ワクチンの予防接種を受けておらず、サル痘への免疫力が低いことが感染拡大の一因として考えられる。

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