「フランス電力」100%国有化へ、エネルギー自立と原発推進 首相が表明

フランス電力(EDF)の原発施設=2月、フランス北東部(ロイター=共同)
フランス電力(EDF)の原発施設=2月、フランス北東部(ロイター=共同)

【パリ=三井美奈】フランスのボルヌ首相は6日、下院で施政方針演説を行い、フランス電力(EDF)を100%国有化すると表明した。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、エネルギー安全保障を確保し、国家主導で原発開発を進める方針を示した。

EDFは現在、国が84%の株を保有する。ボルヌ氏は演説で、「われわれは電力生産を完全に管理すべき。戦争の結果に向き合い、将来に備えるためにも、自立性を確保せねばならない」と訴えた。原発を「脱炭素、自立のためのエネルギー」と位置付け、新設や開発への投資を続けると強調した。

原発推進とエネルギー自立は、ウクライナ侵攻前からマクロン仏大統領が公約に掲げていた。最大14基の原発を新設し、小型モジュール炉(SMR)の実現を目指す計画を示している。

ロシアは4月以降、欧州へのガス供給を削減。フランスは露産ガスへの依存度は17%で、ドイツやイタリアと比べて低いものの、6月にはパイプライン経由の供給が止まり、エネルギー不安が強まっていた。フランスは現在、電力の7割を原発に依存する。

EDFはもともと国有企業で、2000年代に株式を公開した。近年は原発建設の遅れ、トラブルによる原発停止などが重なり、昨年末時点で430億ユーロ(約6兆円)の負債を抱え、財政難に陥っていた。

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