核兵器の開発や保有、使用などを全面的に禁じる核兵器禁止条約(核禁条約)の第1回締約国会議がオーストリアの首都ウィーンで6月21~23日に開催された。「核なき世界」を目指す取り組みを、世界のメディアはほぼ伝えなかった。報道価値がないと判断されたのは、かねて専門家が指摘してきた条約の実効性に疑問があるためとみられる。
普遍的な国際法か?
核禁条約は、核兵器がもたらす被害の非人道性に着目し、その存在を違法化した初の条約で、昨年1月に発効した。核兵器の製造や配備、実験、移譲、こうした活動を支援・奨励する行為を禁じるほか、核を「使用するとの威嚇」を禁止し核抑止力も否定する。