参院選〝首都決戦〟

(4)新興勢力の挑戦 話題作りで大躍進狙う

街頭演説に集まった聴衆たち=東京都中野区(中村雅和撮影)
街頭演説に集まった聴衆たち=東京都中野区(中村雅和撮影)

「息苦しい世の中を変えてくれるはずだ。こんな人に議員になってほしい」

5日午後、仕事帰りのサラリーマンらが行きかう小雨の東京都港区赤坂。実業家の堀江貴文氏は出馬した無所属新人の作家、乙武洋匡氏(46)の傍らでこう訴えた。乙武氏も「各界の多くの方々とネットワークがある私は、すぐに政策を作ることができる」などと応じた。

選挙戦では「リアルでの演説とオンラインのハイブリッド」(乙武氏)を意識する。この日の堀江氏のほかにも、公示前にはネット掲示板「2ちゃんねる」元管理人のひろゆき(西村博之)氏の応援を受けた。公示日には、渋谷センター街から国会議事堂までの約5キロを40人のボランティアらと練り歩く「東京大行進」を敢行。ツイッターの音声ライブ機能を使った集会には4千人超が参加するなど、ネットでも話題を作り、浸透を図る。

乙武氏は「東京でジャイアントキリング(番狂わせ)を起こした過去の陣営のキーワードは『熱量』だった。今のところ、狙い通りだ」と強気だ。

「上下の戦い」

「皆さんが使えるお金を増やす。最も野心的で実現可能な政策を訴えている」

3日午後、千代田区の有楽町駅前で街頭演説に臨んだれいわ新選組元職の山本太郎氏(47)は、集まった聴衆との質疑応答の中でこう強調した。

今回の選挙戦では「左右のバランスじゃない。搾取する側とされる側。上下の戦いだ」と強調する。自身の当選に加え、比例代表への票の積み増しを図り「どこかで(与野党が)ひっくり返る場面がくる。その時に(議席)数を持ち、主導権を握る」ことを狙う。

街頭演説の聴衆には、与野党問わず既存政党の支持者が「結構な割合でいる」(山本氏)という。3年前の選挙では公明党の支持母体、創価学会の男性学会員(現在は除名)を擁立するなど、揺さぶりもかけた。

ただ、都内在住のある女性学会員は公明現職の竹谷とし子氏(52)の票固めで手いっぱいだとした上で、「周囲では『れいわ』の話題は聞かない。むしろ(公明党が公認候補を立てた)近畿での情勢の方を気にしている」と語った。

政党への失望感

「国政選挙の投票率は約50%で、半分は棄権している。さらにその半数は政治を諦めている層だと思う」

政治団体「参政党」の事務局長で、自身も比例代表で出馬する神谷宗幣氏は、政治を取り巻く現状をこう分析する。既存政党への失望感を追い風としている点で、れいわ新選組との共通項を認めつつも「山本さんはかなりリベラルな人だ。僕たちは保守側。主張はかなり違う」とも強調する。

東京で擁立した新人の河西泉緒氏(41)には、「党員と対話し、思いを代弁してもらいたい」とアドバイスする。銀座でクラブを営む河西氏は、党の重点政策で党員の関心も高い歴史や食、健康などをテーマに演説することが多い。

「自分たちは、政治を諦めている25%の有権者に『もう一度立ち上がってください』と訴えている」と神谷氏。その熱量で街頭演説では百人単位の聴衆を集め、注目を浴びている。(中村雅和)

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