未完成の平安期「銭貨」発見 山口、周防鋳銭司跡

日本で初めて見つかった「饒益神宝」の「鋳損じ銭」
日本で初めて見つかった「饒益神宝」の「鋳損じ銭」

平安時代の銭貨鋳造所「周防鋳銭司跡」(山口市)で平安期の銭貨「饒益神宝」が未完成の状態で見つかり、6日、山口市と山口大が発表した。未完成の饒益神宝が見つかるのは日本初で、担当者は「銭貨の生産実態を解明する上で重要な資料」と話した。

市と大学の共同発掘調査で、2018年10月に金属片を発見。縦約0・8センチ、横約1・4センチ。銭貨の4分の1の破片だった。

日本で初めて見つかった「饒益神宝」の「鋳損じ銭」
日本で初めて見つかった「饒益神宝」の「鋳損じ銭」

元興寺文化財研究所(奈良市)でエックス線検査したところ、饒益神宝の「饒」の字が浮かび上がった。また、仕上げの工程で削られる鋳張りが残っており、未完成品「鋳損じ銭」と断定した。

市教育委員会によると、饒益神宝は奈良―平安時代に国内で生産された12種類の銭貨「皇朝十二銭」の一つで、859~870年に造られた。同跡では、ほかに年代の異なる2種類の鋳損じ銭が出土しており、継続的に銭貨が鋳造されていたことが分かるという。

「饒」の字が浮かび上がる未完成の状態で見つかった「饒益神宝」のエックス線画像(山口大提供)
「饒」の字が浮かび上がる未完成の状態で見つかった「饒益神宝」のエックス線画像(山口大提供)


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