災害派遣や国際貢献、国民に感銘を与える行動で著しい功績のあった自衛官を顕彰する「第20回国民の自衛官」(フジサンケイグループ主催、産経新聞社主管、防衛省協力)の選考会が、東京・大手町の産経新聞社で開かれ、8人2部隊の受章者が決定した。
陸、海、空それぞれの専門分野で功績のあった自衛官や部隊が推薦され、自己犠牲の精神での人命救助や、社会との絆を強める活動、自衛官としての努力や成果などが重視された。
約12年間にわたり不発弾処理に従事し、17万発を超える不発弾を処理した准陸尉や33年間にわたって電子戦データの解析にあたった准海尉、国境の最前線に位置する人口約700人の離島で警戒業務にあたりながら、救急患者の搬送などを通じ島民の安心安全な暮らしに貢献する部隊などを選出した。
今回、新たに選考委員に就任した東京大先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏は「選考にあたり、自衛隊員がいかに地道な努力で国防を担っているのかを改めて痛感した。このことをなるべく多くの方々と共有する契機になればいいと思っている。『国民の自衛官』と銘打たれている意義はそこにあると思う」と話した。
◇
受章した自衛官と部隊は次の通り。
【陸上自衛隊】第8後方支援連隊第1整備大隊(熊本・北熊本)濵砂俊洋准陸尉(54)▽東北方面ヘリコプター隊(宮城・霞目(かすみのめ))朝井智信2等陸曹(44)▽東部方面混成団第31普通科連隊(神奈川・武山)山田正人予備2等陸曹(48)▽対特殊武器衛生隊(東京・三宿)
【海上自衛隊】護衛艦こんごう(長崎・佐世保)田中克政2等海尉(49)▽第31航空群司令部(山口・岩国)賀屋利昭准海尉(64)▽潜水艦たかしお(神奈川・横須賀)今野普雄(ひろお)1等海曹(45)
【航空自衛隊】第5航空団基地業務群(宮崎・新田原(にゅうたばる))品川清一郎空曹長(44)▽教材整備隊工作隊(静岡・浜松)大石竜也防衛技官(56)▽西部航空警戒管制団第17警戒隊(山口・見島)
◇
特別協賛 航空新聞社
協賛 一般社団法人日本防衛装備工業会、防衛懇話会、タカラベルモント、ユニオン、フソー化成
選考委員 志方俊之・帝京大名誉教授▽井上和彦・ジャーナリスト▽小泉悠・東京大先端科学技術研究センター専任講師▽高嶋巖・一般社団法人日本防衛装備工業会専務理事▽奈良信行・航空新聞社顧問▽三笠博志・産経新聞社東京編集局長▽榊原智・同論説委員長▽武藤伸樹・同新プロジェクト本部長