神戸は泥臭く、下位同士の対決を制して今季初の連勝を飾った。6日にノエビアスタジアム神戸で行われた清水戦に2-1で勝利。後半ロスタイム、決勝ゴールを決めたのは、途中出場の大迫だった。就任後2連勝で最下位を脱出した吉田監督は「いやあもう、サコ(大迫)すごい。非常に頼もしい」と真価を発揮したストライカーをたたえた。
立ち上がりからボールを保持し、汰木(ゆるき)のゴールで早々と先制した神戸だが、その後は好機を生かせず、追加点を奪えない。すると守備の強度が緩み、後半21分に同点に追いつかれる。その後も苦しい時間帯が続いたが、最後にめぐってきた得点機は逃さなかった。
橋本や武藤らがペナルティーエリアに侵入し、粘り強く攻撃を仕掛けると、「シュートしか考えていなかった」という大迫が相手のクリアミスを左足でねじ込んだ。右足の故障が完治せず、万全の状態でなくても、結果を残すのは百戦錬磨の点取り屋ならでは。
大迫は「前半戦の借りがまだ残っている。ここで満足するチームじゃない」ときっぱり。当面は大迫を試合途中から起用していく見込みの指揮官は「先発11人で試合をするわけじゃない。これからもチーム力で勝っていければ」と強調。「ジョーカー大迫」が控える神戸の巨大戦力は侮れない。(北川信行)