<独自>2歳児熱中症死 祖母らUSJ近くで連泊 供述虚偽、放置は丸2日か

大阪府富田林市の小野優陽(ゆうは)ちゃん(2)が自宅に放置され、熱中症で死亡した事件で、保護責任者遺棄容疑で逮捕された祖母らが、遺体発見の2日前から大阪市此花区の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」近くのホテルに連泊していたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。祖母らは遺体発見当日の早朝に自宅を出てUSJに行ったと説明していたが、虚偽だった可能性が高い。大阪府警は放置が丸2日間に及んだとみて裏付けを進める。

府警によると、祖母の小野真由美(46)と内縁の夫、桃田貴徳(50)の両容疑者は当初、6月29日午前5時ごろ、小野容疑者の五男(5)を連れて自宅を出て車でUSJに遊びに行ったと説明。同日午後4時過ぎ、学校から帰宅した小野容疑者の四男(15)が、乳幼児用の柵「ベビーサークル」内で倒れていた優陽ちゃんを見つけるまで約11時間放置したとして逮捕されていた。

捜査関係者によると、桃田容疑者は「USJの前に奈良に行った」とも供述したが、府警が裏付けを進めたところ、小野容疑者らが6月27日と翌28日、大阪市此花区のUSJ近くのホテル2カ所に宿泊していたことが判明。少なくとも丸2日間ほどは優陽ちゃんを放置し、USJで遊ぶなどしていた疑いがあり、府警は両容疑者の行動を詳しく調べる。

府警によると、優陽ちゃんは29日昼ごろに熱中症で死亡したとみられる。放置されていた柵は四方に板が張られ、通気性が悪くなっていた。桃田容疑者らは「クーラーと扇風機をつけ、窓を開けて外出した」と供述したが、柵内には飲食物もなく脱水症状を起こしやすい状況だった。

29日午前7時40分ごろに自宅を出た四男も、帰宅した際に「クーラーはついていた」と話していたが、その後の説明には変遷もみられるという。府警は改めて四男からも事情を聴き、優陽ちゃんが放置された時期や、小野容疑者らが不在の間、優陽ちゃんの面倒をどのように見ていたか、状況の確認を進める。

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