サッカー通信

声出し応援解禁を阻む「5割の壁」 クラブ側「簡単には踏み切れない」

Jリーグ・YBCルヴァン・カッププレーオフ第2戦の鹿島―福岡で、ゴール裏に設けられた指定エリアから声出し応援をする鹿島のサポーター=11日、茨城県鹿嶋市のカシマスタジアム
Jリーグ・YBCルヴァン・カッププレーオフ第2戦の鹿島―福岡で、ゴール裏に設けられた指定エリアから声出し応援をする鹿島のサポーター=11日、茨城県鹿嶋市のカシマスタジアム

新型コロナウイルスの感染対策で規制している声出し応援の解禁を目指すサッカーのJリーグに、声出しを伴う試合の観客数を原則、会場収容力の50%とする政府方針が立ちはだかっている。声出しを禁じて観客数制限を撤廃したスタジアムでは、小規模会場を中心に収容力の50%を大幅に上回る集客にすでに成功。声出しの解禁で観客数減少を余儀なくされるクラブにとっては悩ましい問題だ。声出しを解禁してもマスク着用で感染リスクを抑えられるとの見立てもあり、Jリーグは政府方針の緩和を働きかけていく。

Jリーグは6月11日に茨城・カシマスタジアムで行われたYBCルヴァン・カップの1試合、12日に東京・味の素スタジアムで行われたJ2・1試合に加え、7月2、6両日のJ1、J2計6試合で声出し応援の運営検証を実施。政府方針に従って観客数の上限を会場収容力の50%とした上で、エリアを限定した声出し応援席の上限を6月は3000席、7月2、6両日は7000席とした。

7月30日から8月14日にかけては新たな試みに挑む。政府が示している会場全体の観客数制限に従いながら、希望する全クラブの試合で声出しを可能とし、声出し可能な席の上限を撤廃。クラブが希望すれば声出しエリアを限定せず、会場全域での声出しも可能となる。8月15日以降の方針は今後、検討する。

声出しの解禁は全クラブの悲願だ。しかし、観客数制限の撤廃で会場収容力の50%を超える集客に漕ぎつけているクラブは、観客数減少の痛みを伴いかねない。ただでさえ新型コロナウイルスの感染拡大後の観客数制限で経営的なダメージを負っているクラブは、おいそれと受け入れるわけにいかない。

観客数制限を撤廃しても収容力の50%にあたる集客が難しい大規模会場では、声出し導入に伴う観客数制限の影響は限定的か、まったくないこともある。しかし、観客数制限が小規模会場をホームとするクラブに与える影響は大きく、あるクラブの関係者は「声出しを解禁したくても、簡単には踏み切れない。経営的な問題もあるし、声出しが禁じられていれば来場できるサポーターの観戦機会を奪うことにもなる」と説明する。

Jリーグが6月の運営検証時に観客を対象に行ったアンケートでは、95%以上が「声出しで観戦の楽しみが増した」と回答している。圧倒的多数のサポーターが声出しの解禁を支持しており、解禁しないクラブにはサポーターの不満が向けられてしまう恐れもある。前出の関係者は「解禁しない場合、サポーターと緊密にコミュニケーションを取って理解を求める必要がある」と述べた。

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