埼玉LGBT条例案、自民党内に広がる余波

埼玉県議会の自民党議員団が提出した、同性愛者など性的少数者(LGBTなど)への理解増進を図る条例案
埼玉県議会の自民党議員団が提出した、同性愛者など性的少数者(LGBTなど)への理解増進を図る条例案

埼玉県議会最大会派の自民党議員団が提出した性的少数者(LGBTなど)への理解増進を図る条例案は7日の本会議で採決され、可決、成立する見通しだ。地方議員が主導した動きではあるが、自民党を支える「岩盤保守層」の反発が根強い政策課題だけに、党所属国会議員らも神経をとがらせている。

自民党は昨年、同様の趣旨の法案の国会への提出を目指したが、党内保守派の懸念を背景に意見調整が難航し、提出を見送った経緯がある。

条例案をめぐり焦点になっているのは「性的指向または性自認を理由とする不当な差別的取り扱い」の禁止を掲げている点だ。何が「差別的」なのかが明示されていないため、女性の権利侵害などを招きかねないという意見もくすぶる。

国会への法案提出をめぐる党内の議論でも、ほぼ同じ内容の文案に批判が集中した。党関係者によると、党本部側では現在、「性的少数者への理解促進」を進める方向で仕切り直しの議論が進んでいる。

昨年の議論を蒸し返すかのような県議会の動きに、懸念を抱く党所属国会議員は少なくない。党県連に対しては、党本部の特命委員会の幹部を務める国会議員から、条例案の内容と検討の経緯に関する問い合わせもあったという。

党本部側での議論との不整合が生じることを懸念した県連側は、条例案の審議入り前、県議会会派の幹部に「もう少し時間をかけて検討してほしい」と伝えた。しかし、方向性が変わることなく審議は進んだ。

県連所属国会議員の一人は「『差別禁止』と『理解促進』は異なる。差別禁止が徹底されると、女子トイレなどの女性スペースが守られないのではないか」と懸念を口にした。(中村智隆)

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