中国、比の取り込み狙う 外相訪問「新たな黄金期」を

中国の王毅国務委員兼外相(AP)
中国の王毅国務委員兼外相(AP)

【シンガポール=森浩、北京=三塚聖平】中国の王毅国務委員兼外相は6日、フィリピンを訪問し、マルコス大統領を表敬訪問した。マナロ外相との会談では両国関係の「新たな黄金時代」を開くために協力すると発言。米国がドゥテルテ前大統領時代に隙間風が吹いたフィリピンとの関係修復を目指す中、中国がマルコス新政権を取り込む動きを鮮明にした形だ。

中国は6月30日のマルコス氏の大統領就任宣誓式に王岐山(おう・きざん)国家副主席を「特別代表」として出席させており、要人を相次いでフィリピンに送り込んでいる。王毅氏は、6日のマナロ氏との会談で、マルコス氏が「対中友好政策追求の姿勢」を見せていると賛辞を述べ、協力関係の深化に期待感を示した。

マルコス氏は就任前、領有権をめぐって中国と対立する南シナ海問題について「海洋権益が踏みにじられることを許さない」と言及し、親中路線を主導したドゥテルテ氏と一線を画す考えを示していた。

一方、今月5日の記者会見では中国に対して「役に立つのであれば軍事交流にも取り組もう」とも呼び掛け、融和的な姿勢も見せた。王毅氏はこのマルコス氏の発言を評価した可能性がある。

マルコス氏をめぐってはバイデン米大統領が訪米を要請するなど、米中間の綱引きが活発化している。マルコス氏自身は訪米に前向きとされ、米中間を立ち回って、利益を最大化したい考えがあるもようだ。

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