スコットランド独立目指す動き活発化 でも「反対派」が多数…

スタージョン行政府首相(ロイター)
スタージョン行政府首相(ロイター)

【ロンドン=板東和正】英北部スコットランドのスタージョン行政府首相が英国からの独立を目指す動きを活発化させている。6月下旬には、独立の是非を問う住民投票を来年10月19日に実施する計画を表明。しかし「連合王国」である英国の分裂を警戒するジョンソン英政権は否定的な見解を示している。現地の世論調査でも、住民投票の実施をめぐり反対派が賛成派を上回っており、独立への道のりは険しそうだ。

スタージョン氏は6月28日、現地の議会で「今こそ(スコットランドの)将来を議論し決定する重要な瞬間だ」と住民投票の実施計画を発表した。

実施には中央政府の同意が原則必要だ。このためスタージョン氏は、ジョンソン政権が住民投票を拒み続ける事態を想定し、政権の同意なしに住民投票を実施できるか英最高裁の判断を仰ぐと主張。「スコットランドの民主主義がジョンソン首相らの〝捕虜〟となってはならない」と訴えた。

スタージョン氏率いる独立派の地域政党スコットランド民族党(SNP)は、2021年5月の自治議会選で第1党を維持。ジョンソン政権に住民投票の実施を求めたが、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着くまでしばらく活動を休止していた。

スコットランド独立をめぐっては、14年にも住民投票が行われた。当時は英通貨ポンドがスコットランドで使用できなくなる経済への影響を懸念した有権者も多く、賛成約45%、反対約55%で独立は否決された。

しかし、英国が16年に決めた欧州連合(EU)離脱が独立支持者を再び活気づけた。同年のEU離脱を問う英国民投票では、スコットランドで62%が残留を支持。スタージョン氏は、地元で反対が根強いEU離脱を英政府が強行したことによって、独立を求める声がスコットランドで高まったと主張し、住民投票の再実施を英政府に求めている。

これに対しジョンソン氏は、独立が否決された前回の住民投票に触れ、「少し前に下された決断を尊重すべきだ」と再実施に否定的な姿勢を崩していない。

スタージョン氏は今後、中央政府の同意を得られず法廷闘争にも敗れた場合、24年に予定される次回の英総選挙で独立の是非を争点に争う方針で、問題が長期化する可能性がある。

一方、スコットランドでは、新型コロナで景気が悪化したことに伴い、独立後に自力で経済を立て直せるか懸念する市民が増加。英調査会社ユーガブが6月14日に発表した現地の世論調査によれば、「23年に住民投票を実施すべきでない」と答えたのは59%で賛成の28%に大差を付けた。5月下旬の現地の世論調査でも「独立反対」が「支持」を10ポイント上回っている。

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