参院選

乱戦の福岡 維新参戦で公明に危機感 自民には軋轢も

平成28年参院選から自民党、旧民主党系、公明党が議席を分け合ってきた福岡選挙区(改選数3)。過去最多16人が乱立する屈指の激戦区で〝台風の目〟となっているのが、日本維新の会だ。最後の1議席を争うとされる公明は浮動票の流れを警戒し、与党の大物議員らの来援を得て引き締めに躍起。一方、自民内には摩擦も生じる。

「国民の命と暮らしを守れる政治が求められる。この福岡選挙区で勝利を目指したい」。2日、福岡市博多区のJR博多駅前。公明現職の秋野公造(55)は「選挙区候補」であることを改めて強調した。

同選挙区は6年前の参院選から改選数が1増。それまで自民と旧民主系が長年2議席を占めてきた中で公明は24年ぶりに議席を得た。死守は絶対だ。

ところが昨年末、選挙区選出の現職女性が体調不良で出馬を辞退し、比例代表選出だった秋野に急遽(きゅうきょ)、白羽の矢が立った。無党派層が多い都心部を抱える選挙区で競合する維新について、秋野陣営の幹部は「期待感を持つ有権者が多いはず。強敵だ」と危機感を募らせる。

候補者の演説を聞く有権者ら=2日午後、福岡市博多区(北野裕子撮影)
候補者の演説を聞く有権者ら=2日午後、福岡市博多区(北野裕子撮影)

選挙戦では推薦を得た自民の協力が欠かせず、公明の支持母体・創価学会と関係が深い自民大物らも応援に入っている。

6月24日に前首相の菅義偉(すがよしひで)が福岡市内で秋野と並び立ち、今月3日は北九州市内での決起集会に元自民幹事長、二階俊博が姿を見せた。二階派事務総長の前総務相、武田良太=衆院福岡11区=も秋野を支援する。

こうした動きを苦々しく見ているのが、自民現職の大家(おおいえ)敏志(54)。28年参院選で民進党(当時)の後塵(こうじん)を拝した。今回はトップ奪還が至上命令だ。

大家は自民副総裁、麻生太郎=衆院福岡8区=率いる麻生派に所属。麻生と武田による党県連内の主導権争いも絡み合い、県連幹部は「公然と『比例は公明』とお願いする国会議員がいる。自民党員の理解を得られると思っているのか」といらだちを隠さない。

自民の不和をよそに、立憲民主党現職の古賀之士(ゆきひと)(63)は2選を目指す。

元地元民放アナウンサーで知名度は抜群だが、旧民主から分かれた国民民主党との間で候補者の一本化はかなわず、国民民主は新人の大田京子(43)を擁立。共通の支持団体である連合福岡は古賀、大田の双方を推薦し、「票割れ」は避けられない。古賀陣営の関係者は「本人の地元での知名度、人気の高さが頼みだ」と語る。

立民代表の泉健太は6月22日の公示以降、複数回にわたって現地入り。今月1日に北九州市で開かれた決起集会では、支持者ら約500人を前に「維新への支持は一定ある。私が福岡に入った意味をどうか重く受け止めてください」と危機感をあらわにした。

その維新は新人の龍野(りゅうの)真由美(49)を擁立し、公示後に福岡を「重点選挙区」から京都や大阪などと並ぶ「最重点選挙区」に格上げ。最後の1枠を狙う。

当初は3月中にも公認候補を決めるはずが調整が難航し、発表は5月上旬にずれ込んだ。党所属の福岡県内の地方議員が8人という足腰の弱さも影響し、浸透不足は否めない。

党関係者によると、今週初めにも全国的な人気を誇る党副代表の吉村洋文が現地入りする予定だったが、台風4号の影響で見送りを余儀なくされた。陣営は浮動票の行方を左右するとして、党本部に再調整を働きかけており、陣営幹部はこう意気込んだ。

「独立独歩の戦いだが、最終盤に向けてギアを上げていく」(敬称略)(北野裕子)

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