少子化対策 前大津市長の越直美氏「多様な人々で意思決定を」

元大津市長の越直美氏
元大津市長の越直美氏

12年ぶりとなる参院選と滋賀県知事選の「ダブル選」投開票を前に、日本と滋賀の課題にどう対処すべきか。前大津市長で弁護士の越直美氏に聞いた。

少子化問題が長年にわたって改善されない要因の一つとして、「同質的な集団による意思決定」を挙げる。「女性や外国人、LGBT(性的少数者)、障害者などの多様な人々が意思決定に加わることが、これまでの考えを変え、イノベーション(革新)を生む」と話す。

平成24年に史上最年少の女性市長として大津市長に就任。2期8年間で市内に54カ所の保育園をつくり、人口増加につなげた。現在は弁護士として活動する一方で、株式会社「OnBoard」の最高経営責任者(CEO)として女性役員の育成や紹介をしている。

「競争力を高めるのに多様な視点が不可欠というのは国際社会の常識で、ダイバーシティ(多様性)は成長戦略だ。企業が競争力を高めるためにも、自治体が住みよい街を実現させるためにも、避けて通ることはできない」と越氏は言う。

内閣府によると、都道府県の地方公務員管理職に占める女性の割合(令和3年4月現在)は全国平均11・8%と低迷。滋賀はそれをさらに下回る10・8%だ。

越氏は女性が管理職になりたがらない理由として、①長時間労働と②自信がない-の2つがあると説明する。①は働き方改革でクリアできるが、②は一朝一夕には解決できないという。

「大津市では生徒会長の男女比率は小学生はあまり変わらないのに、中学校は女の子がわずか約20%にとどまっている。日本社会は女の子は目立つことはしないというアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)が強く働き、女性が自信をつける機会が少ない」

こうした現状の打開として、越氏は「たとえば海外出張に行く人が必要になったときに、小さな子供がいる女性は行かせられないと頭から決めつけるのではなく、打診してみるなど機会を与える努力をすることが大事」と指摘。従来のやり方やリーダー像に女性を当てはめず、上司が変わることが不可欠と主張する。

滋賀は比較的人口減少が緩やかだが、県北部などでは過疎化が進んでいる。

越氏は「新型コロナウイルス禍を背景に、リモートワークなどの働き方改革が一気に進み、滋賀にも大きなチャンスが生まれた。これからは好きな場所で仕事や子育てができるようになる。女性が自由に選択できる社会を作ることが、人を呼び込むことにつながるはずだ」と訴える。

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