今夏の猛暑を球児は乗り切れるか 熱中症対策「ナイター開催導入を」の声も

【高川学園―小松大谷】サヨナラ勝ちに喜ぶ高川学園ナイン。午後9時40分に試合終了となった =昨年8月、甲子園球場(水島啓輔撮影)
【高川学園―小松大谷】サヨナラ勝ちに喜ぶ高川学園ナイン。午後9時40分に試合終了となった =昨年8月、甲子園球場(水島啓輔撮影)

夏の甲子園出場を懸けた全国高校野球選手権の地方大会が今月から本格化する中、懸念されるのが、記録的な猛暑に見舞われている中での熱中症対策だ。日本高校野球連盟や各県の高野連でも水分補給の徹底や給水時間を設定するなどして対策に余念はないが、識者からは「ナイター開催の導入を考えていく時期に来ている」といった指摘も出ている。

水分補給で試合中断

猛暑の中で行われる高校野球ではここ数年、熱中症対策が本格化している。

2018年の夏の甲子園で行われた折尾愛真(福岡)-日大三(西東京)では、水分補給のため七回終了時に10分間中断するなど、大会初の試みが実施された。同じく18年に行われた京都大会の準々決勝でも暑さを考慮して、午後から行われた第3試合、第4試合の開始時間を遅らせてナイター開催としたケースもあった。

折尾愛真対日大三の7回終了後に設けられた給水時間で、水分をとる日大三の選手ら=平成30年8月10日、甲子園球場(水島啓輔撮影)
折尾愛真対日大三の7回終了後に設けられた給水時間で、水分をとる日大三の選手ら=平成30年8月10日、甲子園球場(水島啓輔撮影)

選手たちを応援する側にとっても、猛暑は大敵だ。昨年7月11日に清水庵原球場(静岡市清水区)で行われた静岡大会1回戦3試合では、スタンドで応援していた10人以上の生徒が熱中症の症状を訴え、救護室で手当てを受けるなどしたという。

「気温」も試合中止の要件に

「ナイター開催の導入を真剣に考えていく時期に来ている」。そう指摘するのは、「甲子園という病」(新潮新書)の著者で、高校野球やプロ野球を取材しているスポーツライターの氏原英明さんだ。

氏原さんは昨年8月15日に行われた夏の甲子園1回戦で、大会史上最も遅い試合終了時間(午後9時40分)となった小松大谷(石川)-高川学園(山口)の一戦を取材。雨天のため第1試合の開始が遅れた影響もあり、午後7時10分開始のナイター開催となった。この一戦で目に付いたのは、選手たちのパフォーマンスの良さだったという。

氏原さんは「(ナイター開催によって)熱中症のリスクを回避するだけでなく、選手たちのパフォーマンスも上がる」と指摘した上で、「(熱中症のリスクを考えて)これからは『気温』も試合中止の要件として考えるべきではないか」と話す。

ただ、ナイター開催となった場合には、連戦のときに次の試合までの間隔が短くなるなど、日程調整などでクリアすべき課題も多い。それでも、選手の体調面やパフォーマンスを考慮すれば、ナイター開催の本格的な導入も議論の余地はありそうだ。(浅野英介)


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