異論暴論

8月号好評販売中 電力と国家 衰退へ突き進むのか

日本は先進国の看板を取り下げたのか。原子力発電所の停止が長引く東日本では電力供給の余力がなく、国が節電を呼びかける事態に。そもそも日本の産業用電力料金は主要国の2倍以上で製造業が海外に移転するのも当然だ。元内閣官房参与の加藤康子氏は、日本は基幹産業たる製造業を国内回帰させるため、原発の新増設も含め、原発・火力発電所にテコ入れするエネルギー政策の大転換を図るべきだと訴える。手を打たなければ製造業の弱体化は続き、日本は途上国になりかねない。

原発再稼働が進まず火力発電の新設も進まない中、民主党政権下で始まった電力の固定価格買い取り制度(FIT)で太陽光・風力発電バブルが発生、全国各地で無秩序な開発が進み問題となっている。静岡県函南町では、東京ドーム13個分も山中の樹木を伐採して大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設される計画というが、環境に優しい性質のものなのか。全国再エネ問題連絡会の山口雅之共同代表がメガソーラー建設などの乱開発をめぐる行政の問題点を検証した。福岡県行橋市議の小坪慎也氏は大阪で起きていることを例に、日本の地方自治体に中国が食い込んでいる実情を報告する。

これまで「脱炭素」に突き進んでいた欧米諸国はロシアによるウクライナ侵略を受け、石炭など化石燃料の調達に走り出した。日本はどうするのか。キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹が「脱炭素一本槍は自殺行為だ」と警鐘を鳴らす。社会保障経済研究所の石川和男代表も、上海電力日本のような外資系企業が日本の太陽光発電事業に簡単に参入できていることの問題点を指摘し、日本が直面するエネルギー面での課題解決のために原発再稼働と火力発電の強化が必要だと強調する。(溝上健良)

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