大正末期から昭和初期にかけ、産業が急速に発展した大阪は人口、面積で東京をしのぎ、日本一の大都市へと成長した。「大大阪(だいおおさか)時代」と称されたこの時代の繁栄を象徴するのが、続々と誕生した絢爛(けんらん)豪華な百貨店だ。大正11(1922)年、当時のメインストリートだった堺筋に高島屋長堀店が開店。翌年には近くに松坂屋大阪店も開店した。堺筋には他にも三越や白木屋の高層建築が立ち並び、激しい競争を繰り広げた。
大阪・日本橋、堺筋沿いに建つ高島屋東別館。外壁にテラコッタ彫刻が施されたレトロ調のこの建物は、かつて松坂屋大阪店として営業していた。