艦上爆撃機「彗星」元搭乗員の96歳、自宅の火災で死亡

平成29年に姫路護国神社で開かれた「戦士の証言」で講演する大野善也さん(同神社提供)
平成29年に姫路護国神社で開かれた「戦士の証言」で講演する大野善也さん(同神社提供)

兵庫県加西市殿原町で2日夜、木造平屋建ての住宅が全焼し、焼け跡から1人の遺体が見つかる火災があり、死亡したのは住人の大野善也さん(96)だったことが4日、兵庫県警加西署への取材で分かった。大野さんは第二次大戦中、海軍航空隊に所属し、艦上爆撃機「彗星(すいせい)」の搭乗員を務めた。戦後は「大野徳兵衛」の名で戦争体験を証言したり、執筆活動を手掛けるなどした。

大野さんは神戸市出身。昭和18年に海軍飛行予科練習生として入隊。台湾沖航空戦やレイテ沖海戦などに参戦。急降下爆撃を7回、不時着も10回経験したといい、艦爆搭乗員としては数少ない生存者だった。戦後は警察官を経験したり、起業してドライブレコーダーの開発に携わったりした。

講演活動も精力的にこなし、平成29年には姫路護国神社(兵庫県姫路市)の崇敬奉賛会が「戦士の証言」と題して開催している講演会で戦闘の生々しい体験を話し、戦後日本が歩んだ道に疑問を投げかけるなどした。

奉賛会では今年12月の講演会でも大野さんを講師に招く予定で、本人からも快諾を得ていた。泉和慶宮司は「『話したいことがたくさんある』と言ってくれていたのに、このようなことになりとても残念」と冥福を祈っていた。

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