バイデン米大統領と岸田文雄首相は、ロシアのウクライナ侵略や台湾統一を掲げる中国への対応などで緊密な連携を図り、協力の場を広げている。ただ、日米関係筋は、関係が良好な時こそ注意が必要だと警鐘を鳴らす。バイデン氏が国内問題に気を取られる中、日本側からさらなる関係強化を働きかける項目として、自動車のハイブリッド技術とバイオ燃料を活用した協力が注目を集めている。
「歴史的な北大西洋条約機構(NATO)首脳会議だ」。バイデン氏は6月29日、スペインで開かれたNATO首脳会議に、インド太平洋地域のパートナーとして初めて日豪韓とニュージーランドが参加したことをこう強調した。
バイデン氏はロシアのウクライナ侵攻をめぐり、対露制裁やウクライナ支援で岸田氏と緊密に連携している。NATOの盟主として北米と欧州をまとめるバイデン氏だが、プーチン露政権を追い込むには日本の協力が必要だからだ。日本の協力は「米国にとって予想以上だ」(米外交筋)という。