参院選終盤調査 接戦区で与党総力 野党間も激戦

参院選の街頭演説を聞く有権者ら=4日午後、さいたま市内(飯田英男撮影)
参院選の街頭演説を聞く有権者ら=4日午後、さいたま市内(飯田英男撮影)

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2、3両日に実施した参院選激戦区の情勢調査では、与党が引き続き堅調に戦いを進めている状況が浮かび上がった。与党は失速を回避しつつ、接戦区へのテコ入れで議席の上積みを図る考えだ。一方、定数2以上の複数区では当選圏内への滑り込みをめぐり、野党間のデッドヒートが続いている。

「最後の最後、最後の一瞬まで気を緩めた方が負けだ」

岸田文雄首相は4日、新潟選挙区(改選数1)での応援演説でそう強調した。農業県である地域事情を踏まえ、農業の成長産業化へ輸出拡大に取り組む考えや、肥料のコスト増を補塡する支援金など、食料価格高騰対策もアピールした。

首相は同日、長野選挙区(同1)も回った。新潟、長野とも改選数が2から1に減少した平成28年の参院選以降、野党が議席を独占してきた選挙区だけに、議席を奪取できれば象徴的な意味は大きい。

今回の調査では6月末の前回の情勢調査と比べ、新潟では立憲民主党が優勢となり、長野は引き続き自民、立民が互角の戦いとなっている。自民はこうした接戦区でテコ入れし、勝利を確実にしたい考えだ。

報道各社の情勢調査でも自民は堅調な戦いぶりが伝えられる。自民幹部は「よほどの地殻変動が起きない限りは、それなりに(議席は)取れるのではないか」と見通す。

ただ、油断や失言による減速が懸念材料だ。3日には山際大志郎経済再生担当相が青森県内での応援演説で「政府は野党の話を何一つ聞かない」と発言し、大きく報じられた。

これに対し、木原誠二官房副長官は4日の記者会見で「政府は国民の声を丁寧に聞くのが基本だ。従って与野党を問わず耳を傾ける」と強調。松野博一官房長官が同日早朝、山際氏を注意したことを明かすなど、火消しを急いだ。

野党は攻勢を強める。立憲民主党の泉健太代表は4日、都内で演説し、山際氏について「国民の代表として全くふさわしくない」と非難。「首相が円安を放置し、物価高がどんどん進行している。『岸田インフレ』は間違いない事実だ」と物価高への「無策」も重ねて批判した。

一方、今回の調査では、1人区での与野党対決とともに、複数区の当落線上で野党間の戦いが過熱する状況も浮き彫りになった。

東京選挙区(同6)では、当落線上でれいわ新選組と日本維新の会が激戦を繰り広げており、立民新人も追い上げている。

神奈川選挙区は定数4に欠員補充を加えた5議席の争いだが、当落ライン上では共産を立民候補2人が追う展開となっている。立民は共倒れを避けるため、今後は党幹部の応援を候補者の一方に集中する方針だ。

愛知選挙区(同4)は維新と国民民主党が最後の1議席を争う展開。国民の玉木雄一郎代表は6日にも公示日以降、4度目となる愛知入りをし、追い上げを図る。

京都選挙区(同2)でも維新と立民が当選圏内入りへしのぎを削っている。維新は最終盤に向け集中的にテコ入れする方針で、立民も5日に野田佳彦元首相、6日にも枝野幸男前代表ら連日、大物弁士を投入する予定だ。(原川貴郎、千葉倫之)

与党、改選過半数の勢い維持 参院選終盤調査

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