KDDIの高橋誠社長は3日、大規模な通信障害に関する記者会見を東京都内で開き、障害の影響は携帯電話の利用者など最大3915万回線に及んだと明らかにした。東日本の復旧作業終了は同日午後5時半になるとの見通しを示した。障害は、発生した2日午前1時35分ごろから40時間続く異例の事態となる。高橋社長は会見で「多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と陳謝した。記者会見での高橋社長の主なやり取りは以下の通り。
--平成24~25年にも断続的に通信障害を起こしたが、今回は過去最大の影響者数となるのか
「3900万(超)の顧客にご迷惑をかけた。弊社の歴史上、一番大きな障害ととらえている」
--通信障害の告知を公式ホームページ(HP)に出しても見られなかったという声が聞かれたほか、販売店の告知対応も店ごとに異なっていた。
「多くのご意見、クレームをいただき、店舗にも多くの方が来られた。携帯端末でデータ・音声通信ができなかったが、パソコンなら確認できるとHPに掲載した。総務省からは周知を客目線で行うよう(指示を受けた)。個人向け担当が販売店対応をしたが、やはり初動対応が遅かった。しっかり見直したい」
--5Gを活用した自動運転技術が発達すると、(通信で)人命も預かる立場で責任も重くなるが
「DX時代を支える立場で、今回、物流や自動車、気象(観測)など色んなところに影響があった。通信を預かる立場を再認識して、ネットワークを守っていきたい」
--24時間以上の障害では賠償するとの契約約款もある。個人、法人それぞれへの補償は
「カスタマーサービスにもご意見をいただいたが、障害状況を精査した上で補償を決めさせていただきたいとお伝えしている。法人は個々の契約も見ながら検討したい」
--緊急通報ができず、人命にかかわる影響が出た。社長の経営責任は
「これだけの大きな事故を起こしたこと、申し訳なかったと思うし、経営者として大きな責任はある。ただ、今は一刻も早くネットワークを戻し、一日も早い復旧を目指したい」