金子恭之総務相は3日開いた臨時の記者会見で、KDDIの通信障害に関し、「(昨年の)ドコモと比べても影響、規模ともに大きい」と問題視した。
携帯業界では昨年10月、NTTドコモで復旧まで29時間かかる通信障害が発生。原因は通信の混雑だった。これを受けて総務省はKDDIに、通信の混雑が発生しても対応できるよう通信設備の設計の見直しを指示していたという。両社で起こった障害は、発生の経路などが違うとみられるが、総務省は今回の事態を重く見て、KDDIへの行政指導などを検討する見通しだ。
電気通信事業法では、影響人数や、発生から復旧までの所要時間に応じて「重大事故」に該当するかどうかを規定している。警察・消防への緊急通報の音声通話に「3万人に1時間以上」の影響が出た場合は重大事故に該当し、30日以内に詳細な報告をすることが義務付けられている。
金子氏は、「関係法令に基づき、しかるべき対応を行っていく」と強調。KDDIの今回の対応を「利用者目線で見れば十分でなかった」とも批判した。総務省への一報は、障害発生の約1時間半後の2日午前3時過ぎだったという。
また、岸田文雄首相の指示もあり、2日深夜に次官級の幹部を連絡要員としてKDDI側に派遣したことを明らかにした。
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