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松本若菜、初の主演「復讐の未亡人」

松本若菜
松本若菜

デビューから15年。初の主演作「復讐の未亡人」で出会った今回の役が「女優人生の中で大きなターニングポイントになった」と語る。

「美月」という本名を変え、「鈴木密(みつ)」としてIT企業で派遣のプログラマーとして働く主人公。その目的は、夫、優吾(平岡祐太)を自殺に追い込んだ同僚たちに復讐を果たすことだった。

黒澤Rの同名漫画が原作。動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」でドラマ化され、自身も出演した同じ作者の「金魚妻」の原作を読んだ際には、「女性の心理をすごく繊細に書かれる方」という印象だった。「復讐の未亡人」の原作では、描かれている「何かに取りつかれたような表情」に驚き、どう映像化されるかに興味を持った。

身勝手な理由で夫を自殺に追い込む同僚たちの人間的醜さを赤裸々に描いた今作で、主人公は特異な人物として存在している。密として同僚に接するときは温かいが、本来の美月になると躊躇(ちゅうちょ)なく復讐を遂げていく。「密は多分、自分でもどれが本当の自分か分からない人だと思う」と印象を話す。

そんな難役を演じるにあたっては、「違和感」を出すため、極力動作を減らしたという。「ただ歩くにしても、携帯を触りながら歩いたり、コートのポケットに手を入れたり、そういう芝居をしがちなんですが、それをあえてしないよう」に心がけた。それによって、ほかの登場人物との違いを表現した。

復讐という重いテーマの作品ではあるが、撮影現場の雰囲気は和気藹々(わきあいあい)としていたという。初主演で「みんなを引っ張っていかなきゃみたいに思っていたんですが、『大丈夫だよ』『いつも通りでいいんだよ』と言ってくれたりした。私が船じゃないといけないのに私がみんなに乗っちゃいました」と笑う。

4月期ではフジの「やんごとなき一族」での演技が〝松本劇場〟と呼ばれて評判となっている実力派。これまでは「常にフラットで、色で言うと透明でありたい」と思っていたというが、今後の目指す女優像をこう語った。

「『松本若菜でこの役を』というお話をいただくことが多くなってきたので、役にどうやって松本色を塗って、もっと厚みを持たせていけるかというのが永遠のテーマと思っています。そこをしっかりと自分の中に落とし込んで精進していきたい」(森本昌彦)

まつもと・わかな 昭和59年生まれ。鳥取県出身。平成19年の「仮面ライダー電王」(テレビ朝日)で女優デビューし、その後、さまざまなテレビドラマや映画に出演。29年公開の映画「愚行録」ではヨコハマ映画祭助演女優賞に輝く。最近では、「ネットフリックス」の「金魚妻」やフジテレビの月9ドラマ「ミステリと言う勿(なか)れ」、「やんごとなき一族」など注目作に起用され、実力派女優として存在感を高めている。

「復讐の未亡人」は木曜深夜2時35分、テレビ東京。

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