韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)新政権が発足した5月以降、大音量の騒音で嫌がらせをすることに主眼を置いたデモ集会が新旧大統領自宅前などで開かれ、周辺住民らが被害を訴えている。大統領府の移転に伴い大統領の執務、住居環境に変化が生じ、法律の規制が十分に機能していないことも影響する。韓国メディアは悪質なデモの規制強化を急ぐよう訴えるが、国会の動きは鈍い。相手陣営のデモによる被害の「報復」などとして騒音デモが続く現場を訪ねた。
手錠が並ぶ文在寅氏自宅前
大統領退任から約1カ月半が過ぎた6月下旬。韓国南部・梁山(ヤンサン)の田舎村で生活する文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の自宅前では、平日にもかかわらず数十人のデモ参加者らが集結していた。60代以上の極右団体関係者が中心だが、中には動画の再生回数増を期待した「美容ユーチューバー」らの姿も。周辺には文氏を罵倒する横断幕などとともに、無数の手錠がおどろおどろしく飾られていた。