参院選で自公「埋められない1分」の溝 茂木氏去った直後に山口氏登場

自民党の茂木敏充幹事長は小雨がちらつく中、参院選神奈川選挙区で公明党候補の街頭演説に駆け付けた =3日午後、横浜市緑区(千田恒弥撮影・写真の一部を処理しています)
自民党の茂木敏充幹事長は小雨がちらつく中、参院選神奈川選挙区で公明党候補の街頭演説に駆け付けた =3日午後、横浜市緑区(千田恒弥撮影・写真の一部を処理しています)

参院選(10日投開票)のラストサンデーとなった3日、自民、公明両党の溝が改めて浮き彫りとなった。自民党の茂木敏充幹事長は同日、参院選神奈川選挙区(改選数4、非改選欠員1)の公明党公認候補の応援のため横浜市緑区のJR長津田駅北口に駆け付け、約12分間演説した。ただ、同じ現場に入った公明の山口那津男代表は茂木氏が去った約1分後に到着。両氏が並ぶことはなく、逆に両党の距離感が目立つ結果となった。

茂木氏「公明党の皆さん、すごい」

「日本を守り、未来を作ることができるのは自民党、公明党、今の与党しかない」

茂木氏がこう訴えると、公明支持者から大きな拍手とともに「そうだ!」との声が沸き起こった。

茂木氏は演説で、先の通常国会で物価高対策などの予備費を盛り込んだ令和4年度補正予算について、自公が結束して予算成立に向けて取り組んできた実績を訴え、立憲民主党や日本維新の会、共産党などは反対したと強調した。その上で、選挙戦で政府与党の物価高対策を批判する野党を「何を言っているんだ!」と一喝した。

ただ、補正予算をめぐっては、参院選のアピール材料にしたい公明が自民に強く迫ったのに対し、自民は野党の追及を懸念して慎重だったいきさつがある。こうした経緯を踏まえてか、茂木氏は「公明党の皆さん、すごい。言ったことは絶対にやる。やっぱり言っていることが正しいなと思う」と持ち上げた。「効果的でスピーディな対策を打っている自民、公明がいいのか。それとも不安だけをあおって、何も具体的な対策は出さない、批判だけする野党がいいのかが問われている」とも述べ、与党への支持を強く訴えた。

山口氏「私はもう帰ってもいいんですけど」

茂木氏の熱弁は約12分間にわたり、演説終了後も限られた時間の中、公明支持者とグータッチを重ね、次の応援演説会場に向かった。

公明との蜜月をアピールする茂木氏の姿勢を受け、現場では山口、茂木両氏の〝共演〟への期待が高まったが、山口氏が姿を見せたのは茂木氏が笑顔で現場を去った約1分後だった。山口氏は「今日は茂木幹事長の話が聞けた。私はもう帰ってもいいんですけど」と前振りし、約7分超にわたり公明の実績を訴えた。

自公幹部のスケジュールは「分刻み」とも「秒刻み」とも言われるが、結果として山口、茂木両氏はたった1分という時間差を調整し、共演することはしなかった。

両党は参院選のラストサンデーで「結束」をアピールしようとしたが、かえって両氏の溝を浮き彫りにする皮肉な街頭演説となってしまった。

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