参院選2022

猛暑にコロナ…四苦八苦の各陣営

【参院選2022】街頭演説後、有権者らに手を振りながらあいさつする空調服を着た候補者(左)=2日午後、東京都内(鴨志田拓海撮影)
【参院選2022】街頭演説後、有権者らに手を振りながらあいさつする空調服を着た候補者(左)=2日午後、東京都内(鴨志田拓海撮影)

今回の参院選は、新型コロナウイルス対策で従来の選挙活動の自粛を余儀なくされた昨秋の衆院選と様相が変わり、一部で感染対策の「緩和」もみられる。酷暑対策も相まってマスクを外して演説する候補者も多く、コロナ禍前の選挙戦が戻りつつあるが、感染拡大への懸念も依然、根強い。各陣営は対策と支持拡大との両立に腐心している。

対策も継続

2日に最高気温35度を記録した東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前。正午過ぎ、ある新人候補は水色のワイシャツに汗をしたたらせながら演説に臨んだ。応援に駆け付けた議員は、演壇で開口一番「本当に暑いですねえ」。頭には麦わら帽子をかぶっていた。別の議員も顎から玉のような汗を垂らしてマイクを握ると「どうぞ水分補給を」と呼び掛けた。

候補者は暑さ対策でマスクを外していたが、聴衆の多くは日傘を差したり、帽子やタオルをかぶったりしながら、マスクを着用。50代の女性は「暑くてマスクを外したいが、周りの人と距離が近くなるので外せない」と話した。

別の現職候補の陣営は、選挙カーに乗った議員や候補者ら全員がマスクを外し、順番に演説。「『勝つぞ』コールをやらせていただきたい」と、距離の確保を呼び掛けた上でコールを始めると、聴衆もマスク越しに声を張り上げた。候補者が求めに応じ、マスクを外して支持者と記念撮影や握手をする場面も。陣営の担当者は「基本的な感染対策は徹底している。前回衆院選に比べ対策が劇的に緩んだということはない」と話した。

酷暑対策も

コロナ禍で初めての国政選挙となった昨年10月の衆院選では、多くの候補者が大規模集会を見送り、マスクの着用や消毒の徹底など対策を余儀なくされた。

一方、政府が5月、屋外で人と一定の距離が取れる場合にはマスク不要などとする見解を示したことを受け、今回の参院選では多くの陣営が繁華街や駅前に出向き、「顔の見える」選挙戦を展開する。

連日の猛暑が続く中、ある陣営担当者は「顔のアピールというよりも、暑さ対策。この暑さでの活動は危ない」と話す。街頭演説で聴衆に熱中症予防を呼び掛けたり、日陰ができやすい場所を選んで実施するなど工夫を凝らしているという。

「あまりに暑いのでジャケットは着られない」(陣営幹部)と、候補者自身も服の中に冷気や風を送り込む「空調服」を身に付けたり、演説時間を短縮したりして、熱中症予防に取り組む陣営もみられた。

ジレンマ抱え

一方、感染対策の緩和には慎重な意見も聞かれる。陣営や支持者に感染が広がれば活動に支障が出かねず、有権者にも感染への不安が根強いためだ。ある陣営は支援者に握手を求められてもグータッチでの対応を徹底。幹部は「『握手の数で票が積み上がる』といわれてきた中で、正直、葛藤はある」と打ち明ける。

選挙の実情に詳しい法政大の白鳥浩教授(現代政治分析)は「動員をかけられても動きが鈍い組織が多く、高齢者を中心に感染への不安を持つ層はまだまだいる。コロナ禍と猛暑という例年にはない要素で、各党の通常の支持層が投票へ行かないことなども考えられる。与野党相互にやりづらい選挙になるのではないか」と話した。(王美慧、内田優作)

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