ソウルからヨボセヨ

悩ましい〝足ハンマー〟

ソウルの街並み(聯合=共同)
ソウルの街並み(聯合=共同)

住んでいるマンションのエレベーター内に管理室からの「床騒音に注意」という張り紙があり、そこに誰かが手書きで「パルマンチやらないで!」と書き込みしている。女性の字のようだが「パルマンチ」とは直訳すると「足カナヅチ」だから「足ハンマー」といったところか。

韓国では今や全世帯の60%がマンション世帯ということもあって、上の階の床騒音が「層間騒音」といわれ大きな社会問題になっている。そこで「足ハンマー」のような新造語まで登場しているのだが、マンション暮らしにともなうトラブルが急増しているということだ。公的機関として相談センターもあり、昨年の申告件数は4万6千件と5年間で倍増したとか。

殺人や嫌がらせなど〝報復事件〟も結構あって、上の階の騒音に恨みが高じ、わざわざそのさらに上の階に引っ越して同じような騒音で下を悩ませるという手の込んだ報復もある。

筆者のマンションは若者街なので主な被害は「足ハンマー」と音楽騒音だが、もう一つゴミの分別処理を守らないのも困る。それに筆者のような年配者がエレベーターの出発を待ってあげても礼をいわない女性が多い。エレベーターではほぼ全員がずっとスマホから顔を上げない。こんな風景は同じ住民としていささか寂しい。(黒田勝弘)

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