【ワシントン=塩原永久】米ブルームバーグ通信は1日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国利用者の情報に、中国の従業員がアクセスできる状態にあったと報じた。ティックトックが、米議員からの質問状への回答で、明らかにしたという。厳格な情報管理のもとでアクセスが認められ、中国当局への情報流出はなかったとしている。
共和党の上院議員グループの質問状に、ティックトック側が6月30日付で、回答書簡を送付。その内容を同通信など欧米メディアが伝えた。
報道によると、ティックトックは、中国を含む米国外の従業員が、米国にいる担当者の「厳格なサイバーセキュリティー管理や(アクセス)認可の規定に服して」、米国データにアクセスできたと回答した。
ティックトックは現在、米国の買収審査機関「対米外国投資委員会(CFIUS)」と、米国利用者の情報管理を強化する取り組みを進めていると強調。これまで米国とシンガポールにあるサーバーに蓄積していた米国の利用者データを、米オラクルが米国に持つサーバーへと完全に移管しようとしていると説明した。
ティックトックをめぐっては、米連邦通信委員会(FCC)のカー委員が、米IT大手のアップルとグーグルに書簡を送付。情報流出に伴う安全保障上の懸念が拭えないとして、IT2社に対し、ティックトックをアプリストアから排除するよう要請していた。