参院選

前回低迷の10代投票率 学校で模擬投票、取り組み模索

実際の投票所と同じ環境で投票する候補者を記入する生徒ら=6月30日、東京都練馬区の富士見中高(長橋和之撮影)
実際の投票所と同じ環境で投票する候補者を記入する生徒ら=6月30日、東京都練馬区の富士見中高(長橋和之撮影)

選挙権年齢が18歳に引き上げられてから3度目となる今回の参院選で、若者の投票率が注目されている。引き下げ後、初の大型国政選挙となった平成28年には、東京都内の10代の投票率は5割を上回ったが、2度目の令和元年には大きく下落した。未来を担う若者の投票率を上げようとする取り組みが、学校などで行われている。

「投票所はこちらです」

先月30日、富士見中高(練馬区)には本物さながらの投票所が設置され、模擬投票が行われていた。同校では平成28年から大型国政選挙に合わせて、全校生徒を対象に模擬投票を実施。投票用紙や投票箱などは、全て実際の選挙で使用されるものが練馬区選挙管理委員会から提供されている。

投票所の前には、各党のポスターが掲示され、選挙公報も自由に見られる。生徒向けのサイトにも選挙関連の情報が掲載され、投票した高校3年の宮沢まりなさん(17)は「ボートマッチサイトで自分の考えに合った政党を確認して投票した」と話した。

中島弘貴教諭(49)は「政治に関心を持つ生徒が増えた」とうなずく。模擬投票の運営には中学1年~高校3年の約50人が自ら参加。高校3年生の中には投票権を持つ生徒もいるが、「直前に模擬投票をやったので、選挙当日も投票に行きやすくなった」という声も多いという。

28年の参院選では都内の10代の推定投票率は56・75%で、全世代の57・50%とほぼ同水準だった。しかし、令和元年の参院選では42・34%に低下し、全世代の51・77%を大きく下回った。

「どうしたら投票率を上げられるだろう」。30日、模擬投票を手伝う生徒たちに中島教諭が問いかけた。3日間行われる模擬投票の初日。投票に訪れた生徒は約190人と全校生徒の1割強だった。

「それぞれの政党に関する説明が足りていない」

「世の中が盛り上がっていない」

「投票する意味が伝わっていない」

生徒たちからさまざまな意見が上がった。

ある生徒は「どこでも投票できるようにした方がいい」と提案。期日前投票所を百貨店や商業施設内に設置するなど、投票所の利便性を向上させる取り組みは実際の選挙でも行われている。これらの意見を反映し、放課後だけ行っていた模擬投票を2日目は昼休みに別のフロアでも実施したところ、初日の約1・5倍の投票数が得られた。

「投票所の堅苦しい雰囲気がなくなれば、若い人も気軽に投票に行けるようになるのでは」。運営に携わる林凜音さん(15)はそう指摘した。(長橋和之)

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