ロシア、占領地へバス運行再開 支配の既成事実化狙う

サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの会場で展示されたクリミア半島の地図=6月17日、露サンクトペテルブルク(ロイター)
サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの会場で展示されたクリミア半島の地図=6月17日、露サンクトペテルブルク(ロイター)

ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島のバス会社は6月30日、クリミアと侵攻後に露軍が占領したウクライナ南部ヘルソン、メリトポリをそれぞれ結ぶバス便を7月1日に再開すると発表した。バス便の運航再開は2014年のロシアによるクリミア併合以来、8年ぶり。タス通信が伝えた。交通網の構築によりロシアは占領地支配の既成事実化を進める狙いだとみられる。

一方、クリミアのアクショノフ「知事」は6月30日、SNS(交流サイト)を通じ、7月1日に再開を予定していた同じルートの旅客鉄道便の運航は延期すると発表した。「乗客の安全確保対策が完了していないため」だと説明している。ヘルソンやメリトポリ周辺ではウクライナ軍が反攻作戦を展開しているほか、反露パルチザンの武力闘争も伝えられている。

ただ、アクショノフ氏は「安全確保対策は数日以内に終わる」とし、その後に新たな運航日程を公表すると表明。鉄道便の近日中の再開に意欲を示した。

ロシアによるクリミア併合後、ウクライナは南部とクリミアを結ぶバスや鉄道の運航を停止していた。

一方、東部ルガンスク州のウクライナ軍の最終拠点リシチャンスクでは30日も激しい戦闘が続いた。ウクライナ軍参謀本部は同日、露軍に市郊外の製油所の一部や市周辺の複数の集落が制圧されたと発表。露軍側は「同市の約50%を掌握した」と主張している。

会員限定記事会員サービス詳細