東京電力管内で電力需給逼迫(ひっぱく)注意報が前日に解除されたことを受け、1日は5日ぶりに注意報に基づく節電要請のない一日となった。ただ今後も需給は厳しい見通しで、再発令のリスクは付きまとう。懸念されるのは注意報が連発されることで国民の間に油断が広がり、節電への協力が得られなくなる事態だ。政府など節電を呼びかける側の課題を指摘する声もあり、情報発信の在り方について検証が求められそうだ。
「お願いばかりだと節電の協力も薄れてしまう」。注意報が解除された6月30日に開かれた経済産業省の有識者会議。ある有識者は情報発信の重要性をこう指摘した。
6月27日から注意報に伴う節電要請が行われる一方で、夕方には事なきを得るという事態が4日連続で続いた。この間、多くの企業や国民が節電を実施。東電も他の電力事業者など、あらゆる電源をかき集めてなんとか乗り切ったのが実態だが、そのことは国民に伝わりにくい。