ガールズバー声掛けNG 大阪、改正条例施行で規制強化

店名や料金が書かれたボードを持って客を誘う若い女性たち=6月29日夜、大阪市中央区
店名や料金が書かれたボードを持って客を誘う若い女性たち=6月29日夜、大阪市中央区

「お兄さん、女の子と飲みどうですか」。そんな掛け声はもう許されない-。大阪の繁華街で横行するガールズバーの客引き行為を刑事罰の対象に加える大阪府の改正迷惑防止条例が1日、施行された。客引き規制はこれまでキャバクラやホストクラブといった風俗店に限られたが、今後は飲食店のガールズバーも対象となる。条例改正で繁華街の風紀改善に期待がかかるが、ガールズバーを名乗らず規制逃れを図ろうとする店の存在も懸念され、大阪府警は監視の目を光らせる。

6月29日夜、繁華街・ミナミの戎(えびす)橋。メイド服やチャイナ服姿の若い女性たちが、通り過ぎるサラリーマンらに笑みを送っていた。店名や料金が書かれたボードも差し出すが、条例改正を意識してか、声を掛けようとはしない。女性の一人は取材に「ボードを見てもらいたい」とだけ語った。

府迷惑防止条例は平成17年、キャバクラやホストクラブなど風俗店を対象に声掛けなどの客引きを全面的に禁じ、違反した場合は6月以下の懲役、または50万円以下の罰金とした。今回の改正条例は「異性の好奇心をそそる」方法で接客する酒提供店も対象に追加。ガールズバーのほか、メイド服やチャイナ服姿の女性が接客する店などの客引きも網にかかる。

ガールズバーはカウンター越しに酒を提供、接客するのが原則で、キャバクラのような風俗店ではなく飲食店に位置付けられる。手頃な料金で人気が高まり、府内でも数百店のガールズバーがあるとされるが、しつこい客引きが問題視されてきた。

26年施行の大阪市条例はすでにミナミやキタなど繁華街の指定エリアで、ガールズバーを含むすべての客引きを禁じている。ただ、違反しても過料5万円以下の行政処分などにとどまり、効果は一時的だった。また、従前の条例でも「悪質」な客引きなら摘発は可能だったが、数十メートルにわたる声掛けや袖を引っ張るといった執拗(しつよう)な場合などに限られた。府警関係者は「明確な基準がなく、捜査員も感覚でやってきた」と打ち明け、規制強化に期待を寄せる。

一方で今後、店側の業態変更を装った規制逃れが横行するのではと懸念する声も府警から上がっている。ガールズバーの看板を下ろし、通常のバーとうたいながら、実態はガールズバーのままという店もあるとみられ、府警幹部は「実態を見極め、取り締まりを強化したい」としている。(中井芳野)

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