ロシアのプーチン大統領が「サハリン2」の資産などを引き継ぐ新設会社への運営移管を命じる大統領令に署名した。出資する外国企業が条件に同意しない場合は持ち分の株式を売却するとしており、出資する日本の商社はロシア側が出す条件に従うか「踏み絵」を突き付けられた形だ。サハリン2からの液化天然ガス(LNG)の輸入が止められるリスクが現実味を増しており、夏本番を迎えエネルギーの安定供給や価格上昇への懸念が高まる可能性がある。
「日本企業へのLNG輸入の影響を精査している。あらゆる手段を通じてエネルギーの供給確保に万全を尽くす」。1日に会見した萩生田光一経済産業相はそう危機感をあらわにした。
日本が輸入するLNGのうち、ロシア産は8・8%にとどまる。ただ、LNGは輸送や保管の際、マイナス約160度という超低温環境に置く必要があり備蓄が難しいとされる。