電気料金、経産省に値下げ命令の権限なし 燃料費調整額での対応は困難

ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格高騰の影響で、電気料金の負担軽減策が参院選の争点に浮上している。燃料価格の増減を一部プランで電気料金に反映させる「燃料費調整額」が増加し、値上げが続いているためだ。値下げを求める声も上がるが経済産業省に値下げを命令する権限はなく、負担軽減の具体策は見通せない。

全国的な猛暑で冷房の使用も増えており、電気料金の負担は重い。政府は節電に協力した家庭に2千円相当をポイント付与する制度を8月以降に開始する見通しだが、7年ぶりに全国で節電要請を始めた7月には間に合わなかった。

家庭向けの電気料金には燃料費調整額の基準価格設定などで経産省の認可が必要な「規制料金」プランと、各社が自由に料金設定できる「自由料金」プランがある。現在は規制料金が4割強、自由料金が6割弱の比率となっている。

燃料費調整額は各社が経産省に申請し、認可された基準価格の1・5倍まで値上げ可能だが、大手電力10社中8社が既に上限に達している。追加の値上げ申請の動きは見られないが、円安や燃料費高騰で、燃料費調整額での値下げは当面見込めず、料金の高止まりは避けられない。

負担軽減策では、再生可能エネルギーの普及目的で料金に上乗せされている「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で対応する考えも浮上。電気事業連合会の池辺和弘会長は、5月の定例記者会見で一時的に賦課金分を国が肩代わりして、料金を引き下げる案を披露している。

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