メールはNG、ラインはOK? 分かりづらい公選法

「投票依頼」LINEはOKでもメールはNG-。選挙が適正かつ公明に行われるよう制定された「公職選挙法」は、運動期間から事務所で提供できる飲食など選挙活動に関して事細かに決められている。分かりづらい部分も多いが、インターネットによる選挙活動などでは、有権者も法に触れる可能性がある。選挙活動は一体、何ができて何がダメなのか。(宮野佳幸)

実名入りは違反に

「選挙は直前に運動をしても間に合わない」。与党関係者がそう話す通り、選挙戦が本格化する公示・告示前から多くの立候補予定者は街頭に立ち、自らの政策などを訴える。だが、公選法では、公示・告示前に選挙活動を行う「事前運動」を禁じている。

選挙プランナーで、公選法に詳しい三浦博史氏によると、選挙活動は①「参院選」などと選挙を特定する②候補者を特定する③投票依頼をする-の3点から成り立つ。事前運動に当たらないように行う「政治活動」では、名前の入っていないたすきやのぼりはどこでも活用できる。

立候補予定者が公示・告示前に実名入りのたすきを使って活動した場合は公選法で、「文書図画の掲示違反」に加え、「事前運動」にも該当してしまう可能性がある。そうした事態を避けるため、名前が書かれていない、キャッチコピーなどが記載されたたすきを掲げているという。

メールに注意

平成25年に解禁されたインターネットによる選挙活動はいまや欠かせないツールだ。そこにも複雑なルールが設定されている。気軽に利用できるので有権者にとっても注意が必要だ。

候補者や支援者だけではなく、有権者もツイッターやフェイスブック、LINE、ブログ、ホームページなどを利用して、政党や候補者への投票を呼びかけることは問題ない。

気を付けないといけないのはメールだ。有権者が電子メールで知人らに「○○を当選させましょう」などと送ることは禁止されている。政党や候補者も事前にメール送信を同意した相手に限り、電子メールでの投票依頼をすることができるが、無作為にメール送信してはいけない。

インターネット選挙に詳しい明治大大学院の湯淺墾道(ゆあさ・はるみち)教授は、その線引きの背景について、なりすましやウイルスを含むファイル送信をするなどの危険性からメールの送信主体が限られることになったという。

湯淺教授はSNSはネット選挙解禁時は現在ほど普及しておらず、「電子メールと同じように使われることを想定していなかった」と指摘する。その上で「一般有権者によるメール送信規制には実効性がなく、SNSと同様に解禁すべきだ」と指摘する。

三浦氏も「メールとSNSのメッセージ送信などは実態として区別が難しくなっている」とし、「スポーツと同じで各選挙にもルールが必要。しかし、整合性が取れなくなれば改正に動くだろう」とみている。

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