むしろ客数が増えた! 「餃子の王将」の値上げ戦略が大成功した理由

値上げしたのになぜ?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)
値上げしたのになぜ?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

外食産業の売り上げが急回復してきています。コロナ禍で大打撃を受けましたが、3月末にまん延防止等重点措置が解除されてからはお客さんが戻り始めています。

中でも業績絶好調の一社が、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスです。2022年5月度は創業以来過去最高の売り上げを達成しています。5月には一部商品の値上げをしているのですが、それでも業績を伸ばしています。

世界中で物価高が叫ばれ、さまざまな商品の値上げが始まっています。多くの企業では「値上げしたら売り上げが落ちるのでは?」と心配をしています。しかし、餃子の王将を見ると、値上げもそれほど怖がらなくてもいいように思えます。

デフレ一辺倒だった日本の小売り・サービス業が新たな時代に入りました。インフレでも勝てる経営とは何か。値上げしても売り上げを伸ばすには何が必要か。小売り・サービス業のコンサルティングを30年間続けてきたムガマエ株式会社代表の岩崎剛幸が分析していきます。

値上げをしたのに過去最高売り上げ

「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは6月9日、5月の月次売上高(確定版)を発表しました。直営全店売上高は73億8400万円(前年同月比120.3%)、既存店売上高は70億5300万円(同117.5%)で、いずれも創業以来、過去最高の売り上げを記録しています。

驚くのは既存店(新規開店後15カ月内の店舗と前年・本年同月の改装店舗を除いた店舗)の売上高も117.5%と大きく伸びていることです。

5月14日に一部商品(グランドメニューの2割の商品)を20~30円値上げをしたにもかかわらず、全店客数が118.3%、既存店客数が115.4%、全店客単価が101.7%、既存店でも101.8%の実績です(いずれも前年同月比)。値上げをしても客数、客単価が落ちるどころか伸びているのです。

重点措置が解除され、外食産業全体が好調です。とはいえ、餃子の王将の好調ぶりは際立っています。

餃子の王将、直営店の売り上げなど
餃子の王将、直営店の売り上げなど

外食産業の数字と比較しても高い

餃子の王将と外食産業全体の数値を比較します。21年4月から22年4月までの月別売上高、客数、客単価を見ると、外食産業は全体的に数字が伸びた1年だったことが分かります。

21年の夏は緊急事態宣言が発令されたこともあり、それまで回復しつつあった売り上げが再度落ち込みました。飲食店の営業に制限がついたことで、客数が大きく落ちたことが原因です。

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