むしろ客数が増えた! 「餃子の王将」の値上げ戦略が大成功した理由

王将フードサービス、損益計算書
王将フードサービス、損益計算書

22年3月期のテークアウト・デリバリーの売り上げは302億円です。前年比22%の伸びです。すでに全社売り上げの35%にまで拡大し、結果的に客単価を1042円から1066円と24円伸ばしました。22年5月には1095円とさらに29円伸ばしています。同社にとってこの強化策は見事にはまったといえそうです。

また、21年には東京・池尻にテークアウト・デリバリー専門店「ジョイナーホ」をオープンさせています。必ずしも立地は良くないのですが業績好調です(ちなみに名前のナーホは、餃子の王将用語で「持ち帰り」という意味)。同業態であれば、駅前立地ではなくとも売り上げをあげることができるため、同社の新しい成長業態として力を入れていくでしょう。

ジョイナーホ 池尻大橋店(筆者撮影)
ジョイナーホ 池尻大橋店(筆者撮影)

新規顧客獲得と人材育成

2つ目の強化策は新規客獲得を目指した販促です。販促は3つの柱を作って行っています。

まずは、毎週金曜日の「生餃子セール」。これは毎週開催することで定番化し、家でギョーザを焼いて食べたいという新規の女性客集客につながったと思います。

次は、月替わり単品フェアです。毎月、目玉商品を作り、お得なセットにして単価アップを狙うという新規客増と単価アップの両方を狙うものです。

最後は低アルコール飲料の提案による新規客獲得です。お酒が飲めないノンアル派も取り込むための販促です。

こうしたキャンペーンをSNSの活用により、若年層にも告知していったことが、結果として新規客獲得に結び付いたのです。

各種キャンペーン(出所:2022年3月期決算説明会資料)
各種キャンペーン(出所:2022年3月期決算説明会資料)

3つ目は、人材育成です。

人材育成は「事業の要」と同社では考え、特にこの1年で教育にはかなり力を入れてきています。私はこれが同社の売り上げアップに大きな貢献を果たしたと考えています。

会員限定記事会員サービス詳細