猛暑で熱中症の危険度上昇 各地で警戒アラート

強い日差しの中、日傘を差して歩く人たち=30日午後、東京都中央区(川口良介撮影)
強い日差しの中、日傘を差して歩く人たち=30日午後、東京都中央区(川口良介撮影)

30日は関東甲信、東海、近畿などの広い範囲で「熱中症警戒アラート」が発表された。救急搬送の半数以上が高齢者で、各自治体は熱中症対策に取り組む。とりわけ梅雨明け後は体が暑さに慣れておらず、日本気象協会が推進している「熱中症ゼロへ」のプロジェクトリーダー、曽根美幸さんは「暑い日が連続すると体に疲労がたまり熱中症の危険度が上がる」と注意を呼び掛けている。(吉沢智美)

熱中症は高温多湿の状態に体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発症。軽症段階ではめまいや立ちくらみ、手足のしびれが発生し重症になると会話や歩行さえままならなくなる。症状が表れた際は、日陰や涼しい場所へ移動したり、首筋・脇の下などを冷やしたりすることが必要だ。カフェインやアルコールは控え、スポーツドリンクなど水分・塩分を補給する。口から水分などが飲めない状態などであれば医療機関での受診や、重症であれば早急に救急車を呼んだりすることが求められる。

消防庁によると昨年5~9月の熱中症による救急搬送は累計4万7877人で、65歳以上の高齢者が最も多く56・3%だった。

曽根さんによると、高齢者は温度に対する感覚が弱くなり、汗をかく機能が衰える。子供も体が小さいため環境の影響を受けやすく、周囲の人々が様子を気に掛けることが必要だ。

各自治体も高齢者対策に余念がなく、東京都豊島区では、民生委員らが区内で1人で暮らす75歳以上の高齢者を訪問。約6300世帯を8月末にかけて訪ね、熱中症対策が書かれたパンフレットなどを渡している。区の担当者は「電力逼迫(ひっぱく)の報道を受けてエアコンを切ってしまう人がいる。暑さを感じにくい高齢者はエアコンをつけて温度を調整してほしい」と話した。

大田区では特別出張所や文化センターなど71カ所を涼み処(クールスポット)として開放。区内の65歳以上の高齢者約1万4千世帯に水分補給などを呼び掛ける啓発メッセージ入りのうちわなどを投函(とうかん)している。

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一方、熱中症による救急搬送人員の発生場所では「住居」が約4割を占める。料理をするときや入浴時、睡眠時などに発症する危険性がある。曽根さんは「昼間に建物が暖められると夜になっても熱いまま保温されるので適切に冷房機器を使用してほしい。暑く寝苦しいために寝不足になると熱中症に余計なりやすくなる」と警鐘を鳴らす。

また、マスク着用中は放熱が妨げられ、呼吸がしにくいことから体温が上昇。水分も取りにくいため熱中症に対してより注意が必要となる。

熱中症は重篤の場合、後遺症が出る可能性もあり適切な処置が求められる。曽根さんは「直射日光を避け、小まめに水分・塩分を補給してほしい。自宅に帰ったら冷たい水で手を洗ったり、出先なら冷たい飲み物で手のひらを冷やしたりすることも対策になる」と呼びかけた。

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