主張

G7サミット閉幕 対露圧力を世界に広げよ

28日に閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、ウクライナを侵略し続けるロシアに対し、「厳しい経済的代償を科し続ける」とする首脳声明を採択した。

ロシアの侵略が長期化の様相をみせる中、ドイツやフランス、イタリアには早期停戦を探るなど「支援疲れ」の兆候があり、軍事支援を強める米英との温度差が目立ち始めていた。

それだけにG7が対露圧力を強化する姿勢を改めて鮮明にし、日米欧の結束の強さをロシアや世界に示した意義は大きい。対露圧力を世界に広げる布石としたい。

G7はロシアを支える姿勢を堅持する中国に対しても、即時かつ無条件の撤退をロシアに突き付けるよう要求した。

国際秩序に対し、力による現状変更を試みる中露両国にG7が決然と対(たい)峙(じ)することが重要だ。G7各国は、首脳声明の着実な具体化を図らなくてはならない。

首脳声明とは別に採択したウクライナ支援をめぐる声明でも、経済や軍事、外交で「必要な限り長く」支援を行うと明記した。

ウクライナにとってG7からの軍事支援は欠かせない。東部ドンバス地域でウクライナ軍は露軍の長距離砲撃に苦戦している。長射程のロケット砲などの支援で火力の差を埋めることは、露軍を撤退させる上で必要な措置である。

G7は、新たな経済制裁として露産石油の取引価格に上限を設定することを目指して第三国との協議に入る。G7各国による石油禁輸で露産石油が高騰し、制裁効果が薄れるのを防ぐためだ。実効性のある措置とせねばならない。

G7は今回、ロシアの侵略で深刻化した世界的な食料危機に対応するため、約45億ドル(約6100億円)を拠出することも決めた。中東やアフリカには、ロシアやウクライナからの穀物輸入が多く、厳しい対露制裁を科す欧米と距離を置く国も少なくない。

G7がこうした国々に支援の手を差し伸べ、対露圧力の輪に加える努力を怠ってはならない。食料危機はロシアに責任があることを国際社会の共通認識にするよう取り組みを強める必要がある。

来年5月のG7サミットの議長国は日本だ。ロシアの横暴を封じ、国際秩序の回復を図るには、G7の結束を維持しなくてはならない。岸田文雄首相には、そのための指導力を発揮してほしい。

会員限定記事会員サービス詳細