中国ゼロコロナが足かせ 上海封鎖解除も景気回復鈍く

約3カ月ぶりに営業を再開した上海ディズニーランド=30日(ロイター)
約3カ月ぶりに営業を再開した上海ディズニーランド=30日(ロイター)

【北京=三塚聖平】中国国家統計局は30日、景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)が、6月は50・2だったと発表した。前月(49・6)より0・6ポイント上昇し、好不況を判断する節目の「50」を4カ月ぶりに上回った。上海市のロックダウン(都市封鎖)が6月1日に解除され、生産や物流の回復が進んだことを受けて景況感も回復した。ただ、感染拡大を徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ」政策が、景気の足かせになっているとみられる。

中国メディアの財聯社によると事前予想は50・5だった。2020年初めに新型コロナウイルスが中国を直撃した際と比べて回復は勢いに欠ける。

PMIは「50」を上回れば生産や受注の拡大を、下回れば縮小を意味する。2年2カ月ぶりの低水準だった4月(47・4)を底に、上海封鎖の直撃を受けた最悪期は脱した。30日には上海ディズニーランドが約3カ月ぶりに営業再開。経済活動の回復が進んでいる。

内訳では、生産と新規受注の指数がいずれも4カ月ぶりに節目の「50」を上回った。企業の規模別では、大企業と中堅企業が節目を上回った一方で、小規模企業は48・6と低迷が続く。中国政府は景気刺激策を相次ぎ表明しているが、小規模企業には恩恵が十分に行き届いていないもようだ。

同時発表された非製造業の景況感を示す指数は、前月より6・9ポイント高い54・7に急伸。移動制限の影響が大きかった輸送関連などで回復が進み、4カ月ぶりに節目を上回った。

製造業の景気回復に勢いがみられないのはゼロコロナ政策が影響している。各地で散発的な感染拡大が起きるたびにとる移動制限が生産や消費の本格回復を阻む。厳格な感染対策に外資企業は不満を増し、欧米企業を中心に中国市場からの撤退や投資計画の見直しの検討が活発になっている。

中国政府は景気対策で内需を刺激するとともに、外資のつなぎ止めも急ぐ。6月28日には入国者に義務付けている隔離期間をこれまでの14日間から7日間に短縮すると発表。中国入国時に必要な査証(ビザ)の申請要件の一部緩和にも動いた。いずれも外資企業が緩和を求めていたものだ。

ただ、習近平国家主席は6月28日に湖北省武漢市を視察し、「経済発展に一時的な影響があっても、人民の生命と健康を傷つけてはならない」とゼロコロナ政策の継続を改めて指示。今後も中国経済の先行きをめぐる不透明感は完全には払拭できないとみられる。

会員限定記事会員サービス詳細