露軍、オデッサ沖の要衝放棄 反攻受け占領断念か

黒海に浮かぶズメイヌイ島の衛星画像=21日(マクサー・テクノロジーズ提供、ロイター)
黒海に浮かぶズメイヌイ島の衛星画像=21日(マクサー・テクノロジーズ提供、ロイター)

ロシア国防省は30日、ウクライナ南部オデッサ沖の黒海海域の要衝、ズメイヌイ島に駐留させていた露軍部隊を撤退させたと発表した。同省は「ウクライナからの食料輸出をロシアは妨害しないと国際社会に示すための善意の決定だ」と主張したが、露駐留部隊はウクライナ軍の奪還作戦で損害が拡大していたとされ、事実上、同島占領の継続を断念したものとみられる。

露国防省の発表に先立ち、ウクライナ軍は同日、「奪還作戦の結果、露駐留部隊が島から脱出したとみられる」と発表していた。露軍は同島の放棄で、将来的に計画しているとされるオデッサへの上陸作戦などがより困難になる見通し。

ズメイヌイ島を巡っては、露軍が2月の侵攻開始直後に占拠。要塞化を進め、黒海に展開した艦艇の補給拠点などとして利用していた。一方、ウクライナ軍は6月下旬ごろから奪還作戦を本格化。ミサイル攻撃などにより露軍の部隊や装備に損害を与えたと発表していた。

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