第167回芥川賞・直木賞の受賞作は、来月20日に決まる。すでに発表されている候補作の作者を見ると、芥川賞はすべて女性、直木賞でも男性は一人だけだ。文学では「女流」という言葉が死語になって久しい。
▼一方、囲碁や将棋の世界では今も健在である。囲碁の女流棋士になる道は、一般採用枠のほかに「女流枠」がある。女流棋戦はもちろん、ほとんどの一般棋戦で男性の棋士と同じ扱いを受ける。昇段の規定も同じだ。
▼3年前に史上最年少の10歳でプロ入りを果たした仲邑菫二段の場合は、別の「英才枠」だった。若き天才を見つける目的で新設されたもので、無試験である。昨年は43勝18敗と男女を通じて3位の勝ち星を挙げた。今年に入っても、女流名人戦の挑戦者に名乗りを上げるなど、期待通りの活躍である。